雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

 海燕さんのはてなid:kaien:20050120)で、『シンフォニック=レイン』なるゲームを知った。

この言葉どおり、この作品にはとんでもない叙述トリックがほどこされている。もしこの下の文章を読んだら、間違いなくあなたはそれを楽しめなくなってしまうだろう。ほんとうの感動を味わいたかったら、ぜひとも自分の目で確認するべきである。まあいいや、という方だけ、以下の文章を読んでほしい。OK?

 OK。と言うことで秋山は続きの反転を読んだ、読んでしまった。いやあ、これは海燕さんの説明が上手いよ。ネタバレにはただネタをばらすだけのネタバレがあるけど、その一方でトリックを懇切丁寧に説明してくれるから、ばらされて面白いネタバレもある。で、これは後者。なるほど、うんうんと頷いてしまった。反転の中から引用を行うという反則に挑戦してみよう。

ほかにもいろいろ伏線があるのだが、純粋にミステリ的にみればこのトリックはフェアとは言いがたいかもしれない。しかし、たぶん、ギャルゲーユーザーにとってこそ、このトリックは衝撃的だ。奇妙な設定、なにかとうるさい幼馴染み、といったいかにもギャルゲー的な素材が、一気にトリックの構成要素と化すのだから。

 注目したいのは後半、いかにもギャルゲーなファクタが、トリックなりうるという点。同じようなことは『12月のベロニカ』にも言えると思う。これはえんじさんの自宅で行われた新年会のときも言ったのだけど、この小説の前半って実際、そうは上手くない。で、典型的なファンタジィだなあ、富士見ファンタジアだなあ、などと思って読み進めていると足元を掬われる。あれ、そう言えば、貴子潤一郎を読もうと思ったのは、石野休日さんが絶賛していたからだっけな。あれあれ、『シンフォニック=レイン』もそうか? ひょっとして秋山は、石野さんがサイトで紹介した本だけを読んでゲームだけをやればいいのではないだろうか。まずはひぐらしか。この寒いのにひぐらしなんてやっていられるだろうか。いや、あの舞台、本当は冬なんだよ! これは季節叙述だったんだ!!