雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

第八号

「僕らの日常〜『五十円玉二十枚の謎』に挑戦!〜」有名な五十円玉二十枚の謎に、新たな回答を出したもの……なのだが、少し弱いです。弱い、のだけれどその弱さを「意外な犯人」と「作中作」のふたつを加えることで、少しでも良くしようという創意工夫が見える点が好ましい。後書きに「初の創作だ」と書いてあるのだけれど、初めてでここまで、独りよがりでない、読者に親切な文章を書けたことはとても素晴らしいと思います。
「その世界の密室〜『φは壊れたね』に挑戦!」詩的過ぎます。最後まで読み終えて、読者の中に生まれるであろう疑問や不満を、全てQ&A形式で、後書きで答えているのに苦笑。本文をもっと面白くしてください。
「見えない耳」お、これは本格の体裁を取っていて、面白かった。けれど、これ展開には頷けないところが多々あると思います。前半部分の物語にはリアリティが希薄で、後半部分はご都合主義な感じ。後、どうでもいいですが、あとがきに関して。「黎川“そういや「盗聴」ネタは昔書いた記憶が……”大輔」というところも含めて、全体的にデビューしたてのライトノベル作家のような雰囲気がありますね。
「証拠が問題」分からなかったです。最初から叙述トリックが用いられているであろうことは推測がつくし、リーダビリティもけして低くはなかったのですが、結末まで読んで、事件の全体像が頭に浮かび上がりませんでした。何回か事件のポイントになるであろう場所を読み返しもしたのですが、やはり分からず、うーんと首を捻る次第。