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十兵衛両断 (新潮文庫)

十兵衛両断 (新潮文庫)

 安眠練炭さんが面白いと推していた(id:trivial:20051203)ので読んでみた。
 中々に難易度が高く、読み終えるのに苦労した。とにかく漢字が多いのだ、それも常用でないものが。ルビはめったに振っておらず、あっても韓国人の名前がカタカナで振ってあったりして逆に読みにくい。説明パートと会話パートと剣劇パートが、わりと分かりやすく別れており、途中から説明パートはざっくり読み飛ばし、会話パートと剣劇パートだけを楽しむようにして読んだ。説明パートは、荒唐無稽な話をもっともらしく見せかけるためにあるようなので、日頃からライトノベルやマンガで頭がやわらかくなってしまっている秋山に、説明は逆に不要だった。また、日本と韓国、柳生と徳川などの対立がテーマとして掲げられているのだが、これらの関係性を把握するのに手間取った。五編の短編から構成されているのだが、時系列順に並んでいる訳ではないし、一部を除いて物語的な連続性もなかったので、やや混乱した。
 全体的にとにかく読みづらさは否めないが、表題作となっている「十兵衛両断」をはじめ、とにかく熱く、最高に楽しめた。