東中野にあるボードゲームカフェ「ディアシュピール」で開催されたマーダーミステリー『王府百年』を遊んできました。
JELLY JELLY CAFEオーナーの白坂さんが、マーダーミステリーを遊ぶスペースを新たにオープンということで話題沸騰中のマーダーミステリーとは何なのか? 分かりやすくご紹介します。
- マーダーミステリーとは?
- 王府百年とは?
- 人狼との共通点と違い
- TRPGとの共通点と違い
- 謎解きとの共通点と違い
- ミステリーゲームとの共通点と違い
- 王府百年の感想
- 今、遊べるマーダーミステリー
- 合わせて読みたい
- 終わりに
マーダーミステリーとは?
マーダーミステリーは、ゲームジャンルのひとつです。
類似ジャンルとして、人狼やTRPG、謎解きやミステリーゲームなどが挙げられるかと思います。
プレイヤは、物語の登場人物となり、物語のなかで発生した事件の犯人を推理しつつ、個別に与えられたミッションを遂行するロールプレイング型の推理ゲームです。
全世界で流行しており、日本には、特に中国産のゲームが輸入されています。
王府百年とは?
そんなマーダーミステリーの代表格として扱われている『王府百年』は、7人から9人で遊ぶことができるゲームです。
プレイヤたちは、それぞれ王府に集まった登場人物になりきってその役を演じることになります。
ゲームは大きく4つのパートに分かれています。
第1フェイズはプロローグとミッション確認。GMよりストーリーとルールの説明が行われ、各プレイヤは配られたブックレットを読み、自分が演じることになる登場人物の背景や個別のミッションを確認します。
第2フェイズは推理パートの前編。60分を自由に使い、プレイヤはお互いに議論を交わしたり、アクションポイントを用いて捜査することで推理を進めます。
第3フェイズは推理パートの後編。再び60分を自由に使い、推理を進めます。
第4フェイズは推理の発表と得点計算。見事、犯人を当てられたり、ミッションを達成することでポイントが得られゲームの勝者が決まります。
人狼との共通点と違い
議論を重ねて、推理を進めるという点において『人狼』との雰囲気的な共通点は多くあります。犯人はもちろん、自身が犯人であるという事実は伏せて遊びますし、犯人役以外のプレイヤも、異なるミッションを持っているので、ボードゲームで言うところの正体隠蔽の要素を持ちます。
人狼と異なり、処刑や追放といった概念はないので、あたりまえですがゲーム中で脱落するということはありません。
また、謎解き系と同じく、ストーリーに沿って進むため、1度、遊んでしまうと2度と遊ぶことができません。人狼はカードを配り直せば何度も遊べますが、マーダーミステリーは人生で1度しか遊ぶことができません。
TRPGとの共通点と違い
登場人物になりきって遊ぶという観点では、TRPGに近しいとも言えます。
また、GMが存在し、物語全体の進行を補佐しつつ、しかしプレイヤ間の会話によってゲームが進んでいくという構造も同じです。
しかし、マーダーミステリーに、ダイスを振ったりするようなランダム要素はありません。敢えて言うと、ゲームの最初に各プレイヤが、どのキャラクタを選ぶかが唯一のランダム性でしょう。
とは言え、やっていることは、かなりTRPG的なので、会話を楽しむタイプのTRPGが好きだったり得意な方は、かなりマーダーミステリーは向いていると言えるかもしれません。
謎解きとの共通点と違い
マーダーミステリーと謎解きは、近しいようで遠い、という印象です。
SCRAPのリアル脱出ゲームに代表される謎解きゲームは、基本的に謎制作者が用意した謎を、ひとつずつ解き明かしていって制限時間以内に脱出することが目的となります。各謎には、明確な解法があり、論理的に考えることによって唯一解を導きだすことができます。
しかし、マーダーミステリーは、基本的にプレイヤ同士のゲームです。また、謎解きと異なり、事件を捜査し、犯人を推理するには、ミステリ小説で言うところの行間を読む必要があります。
ただ、リアル謎解きゲームのなかにも、マーダーミステリー的なものはあるので、それはそれで別の機会に紹介させてください。
ミステリーゲームとの共通点と違い
リアル脱出ゲームと比較すると、E-Pin企画によるミステリーナイトに代表されるミステリーゲームの方が、マーダーミステリーに近しいです。
ミステリーナイトは演劇を観て、役者の演技や、語られなかった部分を読みとるゲームですが、マーダーミステリーの場合はプレイヤ自身が役者となり、プレイヤ同士が議論のなかから欠けたピースを見つけ、巧妙に隠された真相を見つけだすゲームです。
ミステリーゲームが好きな方で、議論や会話に抵抗のない方は、かなり楽しく遊ぶことができるでしょう。
王府百年の感想
今回、ディアシュピールさんで遊ばせていただいた『王府百年』ですが、端的に言って……めっちゃ面白かったです!
なるほど、これは口コミで評判になって、イベントを開催するために速攻で枠がすべて埋まるのも分かります。1回の参加費が3000円というのも、安く感じます。
正体隠蔽系が苦手という方、多人数議論系が苦手という方、ちょっと敷居を高く感じるかもしれませんが、マーダーミステリーで得られる体験は、今までになかったもので、試しに飛び込んでみたら人生が変わるかもしれません。
それほどにインパクトのあるジャンルです、マーダーミステリー。
この記事を読んで、少しでも興味を持たれた方は、是非、挑戦してみてください。
今、遊べるマーダーミステリー
現在、日本ではディアシュピールさんを中心に『王府百年』が遊べます。また、新たに『純白の悪意』というタイトルも追加されました。
GM不要のマーダーミステリーもあります。ボードゲームパブリッシャのMoaideas Game Designさんが日本向けに制作した『約束の場所へ』は、6人で遊べるということで、他のマーダーミステリーと比べるとプレイ人数が少なめです。いきなり飛び込んでみるのは怖いので、まずは身内と試したいという方に最適でしょう。
謎解きがお好きな方は、ご存知かと思いますがぺよん潤さんが『Who killed the brave? ~誰が勇者を殺したか?~』というマーダーミステリーをイベントとして手がけているので、こちらの開催を待つのもありかもしれません。
合わせて読みたい
今回は『王府百年』及びマーダーミステリーそれ自体の紹介でしたが、既に他のマーダーミステリーとして『約束の場所へ』と『純白の悪意』も遊んでおり、それぞれの感想も書いています。
『約束の場所へ』は日本語版パッケージが販売されており、GM不要という謳い文句に惹かれ、購入したうえでメンバーを集めて遊びました。
『純白の悪意』は、『王府百年』と同じく、ディアシュピールさんにて遊ばせていただきました。
1回限りのマーダーミステリーを、可能な限り楽しく遊べるよう、様々なチューニングがされており満足度120%でした。
終わりに
当初は『王府百年』の感想を書こうと思っていたのですが、気がついたらマーダーミステリー自体の紹介になってしまいました。まあ、新しいジャンルの作品を紹介しようと思うと、しぜんとこうなってしまいますよね。
既に『約束の場所へ』はプレイ済み、『純白の悪意』も近日中に遊ぶ予定なので、それらの感想も順次、書いていく予定です。