- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/06/11
- メディア: 単行本
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結論として、この結末で良かった。読み始める前は、ひとりの人物に対しインタビューをするだけだと思っていたが、実際は複数の人にインタビューをしていたし、インタビュー以外のQ&Aも後半になるにつれ増えていった。中盤まで読んでいて感じたのは、これが戸梶圭太のように悪趣味な笑いや悪意を描いたものではないかという嫌な予感。幸い、この予感は外れた。悪趣味であることには変わりないが、悪意はなかったというように思う。また、そうでなくともこの結末は、この質問と答えを取り扱った作品に相応しいように思う。会話文だけしかないという、不自然な形式が、最後の最後で生まれる物語に絶妙に絡み付いている。