雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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955『終末のフール』

終末のフール

終末のフール

 赤川次郎のような作品であると思った……と書くと貶しているかのように見受けられるかもしれないが、秋山は赤川次郎を三百冊以上読むぐらい好きな人間なので、赤川次郎的であるというのは、こと秋山に限って言うと、誉め言葉である。
 八年後に小惑星が落ちてくると報道されてから五年、三年後に終末を控えた、なんとも言えない小康状態を迎えたある地域を描いた短編集。設定が荒唐無稽ならば、そこで描かれている人物像も、どこか人間離れしている。そういったアイデア勝負的なところが、何とも言えず赤川次郎伊坂幸太郎の著作で言えば『死神の精度』が好きな人向け。