雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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1091『TOY JOY POP』

TOY  JOY  POP (HJ文庫)

TOY JOY POP (HJ文庫)

 最新! と形容するに相応しい風、を感じた。
 成田良悟『デュラララ』よりもゴチャゴチャしていて、柴田ヨクサルエアマスター』よりも爽快で、平坂読『ホーンテッド!』よりもババァが強くて、西尾維新きみとぼくの壊れた世界』よりも壊れていて、扇智史永遠のフローズンチョコレート』よりファッショナブル。ああ、これ以上やると多方面から睨まれるから止めておこう。
 闇鍋感とでも言うのだろうか。部屋を真っ暗にして、鍋の中にミステリとアクションと青春と自意識とお金と眼鏡と演劇をぶち込んで、キムチとイカ墨で色彩を豊かにして「さあ、それでは早速いただこう。お、この弾力感のあるのは何だろう。どれ、味もみておこう」「貴様が箸で突いているのは私の胸だ。死ね」というような。そういうゴッタ煮感が最高によかった。それにもちろん新しい! という感覚も。そう、この現状に対する不満足であるとか、世界を己が手で変容したいであるとか、そういう最新の感情がここにあるような気がする。例えば1998年に『ブギーポップ』が刊行され、2002年に『悪魔のミカタ』が刊行されて、とか、年表みたいなものを作っていったとして、2006年の項目には本書を入れないとなあと思う。うん、素晴らしかった。
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