やっぱり『化物語』でしょ。

- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
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- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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西尾維新スターターパックの是非はさておき、このエントリでは、今から西尾維新を読み始めようと考えているひとに最適の1作は何か? を考えてみたいと思います。
西尾維新の現在入手できる主な著作は、以下の通り、
・戯言シリーズ(全9巻、完結済み)
・人間シリーズ(2巻刊行済み)
・りすかシリーズ(3巻刊行済み、全4巻予定)
・化物語シリーズ(全2巻、姉妹作『無物語』もしくは『傷物語』刊行予定)
・刀語シリーズ(10巻刊行済み、全12巻予定)
・きみとぼくの壊れた世界(姉妹作『不気味で素朴な囲われた世界』刊行予定)
・ニンギョウがニンギョウ
・ダブルダウン勘繰郎
・トリプルプレイ助悪郎
・xxxHOLiC アナザーホリック
・DEATH NOTE アナザーノート
・ザレゴトディクショナル
上記からトリビュートやノベライズを除き、また西尾維新の代表作と謳われても違和感を抱かないようなシリーズの1巻だけを残すと以下の通り、
『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』
『新本格魔法少女りすか 1』
『化物語 上』
『刀語 第一話 絶刀・鉋』
『きみとぼくの壊れた世界』
いかがでしょう? ここまでは概ね、反論なく絞れるかと思います。問題はここから先です。今から西尾維新を読み始めようと思っているひとに勧めるとしたら、うえの5冊のうちのいずれか?
秋山の結論は冒頭にも述べたとおり『化物語』です。
確かに『クビキリサイクル』は西尾維新の代表作とも言える戯言シリーズの1巻目ですから、戯言シリーズを勧めようという意思の元ならば『クビキリサイクル』こそがもっとも適切ですし、『クビシメロマンチスト』と併せて勧めたら万全でしょう。けれど全9巻の戯言シリーズを、新刊で集めようとするならば1万円以上かかりますし、途中で西尾維新は肌に合わないと切り捨てられてしまう可能性もあります。
では『りすか』や『刀語』はどうでしょうか? こちらは少し危険牌かなと思います。まだ完結していないシリーズなので本当にお勧めできるか不確定ですし、また『刀語』は戯言シリーズと同じく値段という面においてやや勧めにくいです。
残るのは『化物語』と『きみとぼくの壊れた世界』ですが、ここは後者を推してもいいかなと思いました。ストーリー性においてもキャラクタ性においても『きみとぼくの壊れた世界』は優れた作品ですし、初めての西尾維新が『きみとぼくの壊れた世界』というのは幸せな読者だと思います。
けれど、やっぱり『化物語』ですね!
このエントリを書きながら、思っていたより西尾維新および『化物語』への愛が深かったことに気づきましたが、『化物語』はやっぱり面白い作品ですよ。西尾維新の魅力がこの2冊に凝縮しているように感じます。まず、なんと言ってもキャラクタの魅力。戯言シリーズおよび人間シリーズは、ジャンプ漫画のように様々なキャラクタが入り乱れて活躍するのが読みどころですが、『化物語』では、たとえば「ひたぎクラブ」では戦場ヶ原ひたぎに、「まよいマイマイ」では八九寺真宵に焦点が当てられ、じっくりと描かれています。最終的に5話で5人のヒロインが語られるのですが、この5人がそれぞれに個性的で魅力的なのです、ツンデレとか委員長とか。そして、ストーリィも素晴らしい。基本的には毎回、ヒロインたちが怪異に取り憑かれて難儀しているのを主人公の阿良々木暦が救うというパターンなのですが、この見せ方がまた少し捻ってあって秀逸。全体的に非常に完成度が高くて、瑕疵がないのですよね。全2巻なので、懐にも優しいですし。
と言うわけで、これから西尾維新を読み始めようかなと思っている方には、断然『化物語』を推奨しておきます。
そして『化物語』が面白かった方は、どうぞ『クビキリサイクル』に進んでください。その前に『きみとぼくの壊れた世界』に寄り道していただいても構いませんけれど。

- 作者: 西尾維新,TAGRO
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/11/08
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