
- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/12
- メディア: 新書
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犯人が自明であるためフーダニットの要素は皆無で、ハウダニットやホワイダニットに徹しているのだ。そういった面において、本書で取り扱われているトリックは、こういう状況でなければ見せることができないものであると感じた。また、トリックに関係のない情報は、程よく省かれているため、面倒な聞き込みや登場人物の設定などはなく、ガチの推理合戦が楽しめるという点も魅力的だった。
以下、この本を読んだ他のひとの感想。
こう考えてみると、内容的には将棋はほとんど関係ないにもかかわらず、王手飛車取りというのは非常に良いネーミングだと思いますね。将棋から離れて本格ミステリとして本書を評価しても、とてもクオリティが高いと思います。
http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20070113/1168665217
チャットのメンバーそれぞれのキャラが立っているのも素敵だ。流れるように交わされる血も凍る内容の会話、戦慄のユーモア、見事な文体。だからこそ最終章の衝撃は、はかりしれないものがあるのだ。
http://d.hatena.ne.jp/pnu/20070115/p1
とりあえず、生首の話のトリックは今年のバカトリック1位に早くも決定。
http://d.hatena.ne.jp/tomariryuka/20070118/p2
それぞれの事件もまた、人を食ったトリックというか、まともに書くとあまりにも荒唐無稽に思われるようなネタを使っていて、バカバカしくも笑える。着想しても現実性に欠けたためボツにしたネタを一気に注ぎ込んだような作品、と思えなくもない。
http://d.hatena.ne.jp/mmmichy/20070123#1169555316
本格ミステリ=ゲーム小説と考える人から見たら、喜び震えるんじゃないかな。一応フェアに出題されているし、トリックの方も可能。
http://d.hatena.ne.jp/hyouhaku/20070124
歌野晶午による大変良い仕事といえよう。うるさ型の本格ミステリ・ファンが《思索する》余裕もたっぷりとあるし、単なる娯楽小説としても気軽に広くおすすめできる。逸品と言えるだろう。
http://d.hatena.ne.jp/Wanderer/20070125#p1
ただ、本編の5つの事件や、もう一つのサプライズ、殺人ゲームという設定のような強烈な要素の後にこの結末が続いてしまうと、どこか物足りなさを感じずにはいられないのも事実である。ラストで行われるゲームは妙にごちゃごちゃしていて、狙いが見えづらかったのも要素のひとつだ。
http://d.hatena.ne.jp/architect/20070621/p1