- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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ある意味では『ハッピーエンドにさよならを』というタイトルそれ自体がネタバレになっていると言ってもいい。掲載されている作品のいくつかは、ミステリ的な仕掛けを持つものがあるが、やはりブラック・ユーモアであることが売りなのだ。それが明かされてしまっている時点で、結末における驚きは最初から半減してしまっていると言っても過言ではないだろう。
以下、この本を読んだ他のひとの感想。
短編集のタイトルどおり、数々のヤな話が、歌野らしい技巧によってしっかり構築されている。物語をぐるりと反転させることもしばしばのオチが、そのあっけらかんとした佇まいも含め、人生の空疎さ・虚しさ・無意味さを表してやまないとも思う。
http://d.hatena.ne.jp/Wanderer/20070911
これでもかとアンハッピーでブラックな結末の物語を詰めこんでいるのに、不思議と読後感が重くないのはドライで湿気ていないから。
http://d.hatena.ne.jp/pnu/20071002/p1
奇しくも、大半の作品に共通するのが、“家族”という存在である。トルストイが「アンナ・カレーニナ」でしたためたが如くに、「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」のならば、つまりは、物語の“結末”が安易に予想がつかない、ということではないか。
http://d.hatena.ne.jp/poppokobato/20071003/p2