本日『2008本格ミステリ・ベスト10』の読者投票の締め切りになります。
そこで「『2008本格ミステリ・ベスト10』読者投票に向けて思考開始」に引き続き、今日はどれに投票しようかなというようなことを、つらつら考えてみようと思います。
その前に、
10月19日以降に読んだ新刊ミステリをリスト化しておきます。これと前回のエントリに書いたリストを見つつ、投票する5作を決めようと思います。
発行年月 | 著者 | 題名 | 感想 |
---|---|---|---|
2007/02 | 関田涙 | 晩餐は「檻」のなかで | → |
2007/03 | 谷原秋桜子 | 砂の城の殺人 | → |
2007/05 | 蘇部健一 | 六とん 3 | → |
2007/07 | 倉阪鬼一郎 | 四神金赤館銀青館不可能殺人 | → |
2007/07 | 田代裕彦 | 赤石沢教室の実験 | → |
2007/08 | 石崎幸二 | 首鳴き鬼の島 | → |
2007/09 | 歌野晶午 | ハッピーエンドにさよならを | → |
どの作品に投票するか、
……の前に、そもそもランキングとは何なのか? 何のためにランキングを行うのか? どういう作品に投票すべきなのか? ということについて考えてみました。
当然、ランキングの第一義は「皆で今年、面白かった作品を決めようぜ!」ということですよね*1。しかし、同時にランキング1位に輝いた作品は、少なからず売り上げが伸びるでしょう。となれば、面白かった作品より、売りたい作品に投票したくなるかもしれません。けれど、だからと言って投票するひと皆が皆、それぞれの売りたい作品に投票してしまうと、結果としてそのランキングは、面白い作品のランキングではなく、売りたい作品のランキングになってしまうのかもしれません。
では、面白い作品に投票すればいいのかと言われると、そうでもないような気がします。投票者もやはり人間ですから、1年間に読むことのできる本は限られています。大作家の大作*2は投票者の大半が読んでいるかもしれませんが、そうでない作家による力作や労作は見落とされがちに思います。そしてそういった作家が注目を集める機会になりうるのが、ランキングだとも思います。
改めて、どの作品に投票するか、
上記のようなことを延々と考えていたのですが、まあ、考えてみればこれはただの読者投票ですし*3、そんなに気負わなくてもいいかと思いました。そんな感じで、以下の5作に投票しました。結果発表前に投票した作品を明かしてしまうのはルール違反かもしれませんが、知りません*4。
三津田信三『首無の如き祟るもの』
詠坂雄二『リロ・グラ・シスタ』
田代裕彦『赤石沢教室の実験』
谷原秋桜子『砂の城の殺人』
滝田務雄『田舎の刑事の趣味とお仕事』
1位は本格ミステリとして優れているという理由で三津田信三『首無の如き祟るもの』にしました。これは迷いなく傑作です。
2位以下はすべて新人枠としました*5。新人は何かと動きにくく、作品を出してくれる出版社を探しているんじゃないかなあと漠然と考えています。思い過ごしや勘違いかもしれないですけれど。でも、まあ、そういった作家を少しでも後押しできればいいなあ、と思って今年度の新人の作品から面白かったものをうえから4作選びました。
結果が楽しみです。