先週に引き続き、今週も一編、CRUNCH MAGAZINEに投稿しました。
「偽史編纂家、大いに嗤う」については、特にCRUNCHの動向は気にせず、秋山自身が、最近、関心を抱いているテーマを小説の形に落としこんだものでした。
投稿してから一週間、新着の作品を眺めたり、頻繁にアクセスしているユーザの動向を眺めたりしていたのですが、わりと、ここ数年の一般的な文学が迎合される傾向にあるのかなあと感じました。セックス&バイオレンス&ディスコミュニケーション&口語的文体。その一方で「小説とは何か? 文学とは何か?」について考えている作品もあって、個人的には後者の方が望ましいと感じました。また、それらの作品を追っているうちに、CRUNCH MAGAZINEの「レビューしやすい雰囲気」と「作品の応酬」という、ふしぎな文化に気が付きました。と言うわけで、小説それ自体をテーマとした原稿用紙にして15枚ほどの掌編を書きました。
タイトルは「幻視蒐集家かく語りき」です。
作中でも少し言及しましたが、グーテンベルクによって活版印刷技術が広まってから、小説は、だいぶ一般化されました。次いで、物理的距離を越えて、出版という手法で作家同士が切磋琢磨するような環境が構築されました。それから、ざっくり600年くらいの時間が過ぎて、今、CRUNCH MAGAZINEという「場」において「書き手」と「読み手」が繋がっているのが面白いなあと思います。