雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

5種類以上のゲームが遊べる『メソポタミアの扉』の感想


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 植民地戦争+αさんのゲームマーケット2018秋の新作『メソポタミアの扉』で遊ぶことができる5種類のゲームすべてを遊びました。
 傑作……でした!

概要

『メソポタミアの扉』とは、いくつものボード、木製コマ、ダイス、チップなどが含まれるコンポーネント群で、収録されている5種類のゲームの他、「ネコ2世襲来」「ウルクの絵文字」「ナンナ神殿」等、ネット上で公開されているものも含めると何通りものゲームを楽しめる作品です。
 類似の作品としては、巨匠クニツィアによる『古代ローマの新しいゲーム』が、ぱっと思い浮かびますね。
 収録されている5種類のゲームしか遊んでいませんが、どれもプレイ感は極めて異なっていました。根幹となるルールがひとつあって、ヴァリアントルールが4つある……なんてレベルではぜんぜんなくて、ひとつひとつで完全に独立した、完成しているゲームなんですよね
 そう、すべてのゲームが及第点以上、物によっては非常によく出来ている傑作なのです。素晴らしいですね
 以下、個々に感想を書いていきます。

シュメールの遺丘

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 2人専用のアブストラクトゲームです。
 交互に木製ボードを置きながらコマを動かしていって、ゲーム終了時に、高い位置にいるプレイヤが勝利。


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 ルールを読んだときは「どうなんだろう?」と思ったのですが、いざ遊び始めてみると、これが意外に難しくて白熱しました。
 と言うのも、置ける木製ボードが、どんどん減っていくんですよね。下に隙間があるようには置けないので、変な風に配置してしまうと、すぐにゲームが終わってしまいます。まだ終わらない、まだ終わらない、そう思って下の方にいると、いつの間にか、ぜんぜん登れなくなっていて絶望します。


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 詰め将棋的なボードゲームがお好きな方は、きっと気に入ります。

ウルとウルク

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『シュメールの遺丘』と同じく、2人用のアブストラクトです。
 基本となっているメカニズムは『マンカラ』、そしてハンドマネジメントでしょうか。
 ゲームの目的は、ボードと木製コマを使って自分の建物を建てていくことです。1階の柱は1点、2階の柱は2点、3階の柱は3点と点数が上がっていくので、なるべく高い建物を建てたくなります。


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 建物の基礎となるボードは、マンカラをして手に入れるのですが、そのボードを支える木製コマもマンカラで手に入れる必要があるので、結局は、どうマンカラするかがポイントになります。
 ボードの数は限られているのだから、早いもの勝ちだろうと思ったのですが、実際に遊び始めてみたら、すぐに木製コマ=柱不足になってしまい、いくらボードがあっても物理的に建てられる状況になく、中盤で詰まってしまいました。


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 ボードと木製コマ、ちょうどよいバランスで獲得し、計画的に積み重ねていく計画性が求められます。
 マンカラというメカニズムの性質上、先々まで見据える必要があって、つい長考しがちですが、非常に面白かったです。

ヒッタイトの戦車

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 コースを作りながら、いちはやくゴールを目指すダイスを使ったレースゲームです。
 3人から5人と広範囲で遊べます。
 特筆すべきは、可変するコースです。手番ごとに、ボードを使ってどんどんコースを拡張していくのですが、当然ながら、全員自分にとって有利になるようにボードを置いていくので、ゲームが進めば進むほど奇々怪々としたコースができあがっていきます。
 3つ持っている戦車の内、2つをゴールさせれば良いというルールも効いています。先頭集団に追随していると相乗りできるという要素があるので、なるべくくっついて移動したいのですが、ダイス目によっては叶わないこともあるので、どこで3つ目の戦車を見捨てるか選択を迫られます。
 面白いとは感じましたが、ちょっとプレイヤに求める適性が高すぎるなと感じました。変なところにボードを置いてしまうと、けっこうゲームが変わってしまい、デザイナの手を離れたところに行ってしまうこともあるかもしれません。

バビロンの聖塔

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 聖塔はジッグラトと呼ぶそうです。
 ワイワイドキドキ系、パーティゲーム要素の強いバランスゲームです。
 ルールは、いたってかんたん、木製コマを使ってボードを高く積んでいくゲームです。植民地戦争+αさんの昔の作品『樹ブロック』を思い出します。
 面白いのはバッティング要素でしょうか。
 各プレイヤ、それぞれ木製コマを持っていて、その柱を置ききることが目的なのですが、他プレイヤと置きたい個数がバッティングしてしまうと、ひとつも置けなかったりすることがあります。適度に譲りながら、安全に置けるときに置いていくのを見極めるのが大事です。
 この手のバランスゲームは、やっぱりシンプルに盛り上がりますね。

ペルセポリス宮殿

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 最後は『ウルとウルク』と同じく、先読みを求める、ちょっとパズルチックなゲームです。3人~4人用とされていますが、4人プレイが最適であるように思います。
 ゲームは2つのフェイズに分かれています。まずは、ボード獲得フェイズ。順々に、欲しいボードをドラフトしていきます。ボードの分配を終えたら、いよいよゲーム本番となる第2フェイズです。
 手番が来たら、1つずつ木製コマをフィールドに配置していって、木製コマがひとつも置かれていないボードがあれば、それをフィールド上に配置できます。『ウルとウルク』と同じくより高い階層であれば、配置できた木製コマの点数が高くなります。


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 先読みが求められると書いたのは、木製コマが配置できる場所が、その列だけと限られている点にあります。
 他プレイヤの動向を注視して、どこにボードが配置されそうなのか、どこに先んじて配置しておけば、相乗りできそうなのかを考える必要があり、けっこう難しいです。
 今回は見誤ってしまい大敗を喫しましたが、遊びごたえのある面白いゲームだと感じました。

終わりに

 冒頭にも記載した通り、5種類のゲーム、いずれもルールは大きく異なり、プレイ感もまったく異なるものでした。アブストラクトもあれば、運要素の強いものもあり、先読みを求められるものもあれば、パーティで遊べるバランスゲームもあり、バラエティにも富んでいました
 その昔、『古代ローマの新しいゲーム』の全ゲームを1日かけて遊ぶ「古代ローマの新しいテトラデカスロン」をやったことがありますが、同じように本作でも半日ほど掛けて、5作を一気に遊ぶ会を催してみたいですね。


どれも面白かったよ! 最初にコンポーネントを見たときは、バランスゲームかなって思ったけれど、実際に遊んでみたら、そうでもなくて、いろいろなルールがあって面白かったよ

どのゲームが、いちばん好み?

そうだなあ、どれが好みかなあ。私は「ペルセポリス宮殿」かなあ。あっきーは?

確かに「ペルセポリス宮殿」が、いちばんボードゲームボードゲームしてると思う。でも、ストレートに楽しいを追求しているのは「バビロンの聖塔」だと思うんだよね。バッティングにバランスと、パーティ感あるメカニズムの組み合わせで、シンプルに盛り上がる。でも、個人的には2人用ゲームが好きだから「シュメールの遺丘」と「ウルとウルク」の方が好きかな

そんなに、いっぱい言ってズルいよ。どれも、面白かったんだよ~