2019年5月19日、ボードゲーム喫茶 天岩庵さんに開催された『ゲームマーケット2019春フライング体験会2日目』に参加させていただきました。
タイトルに2日目とある通り、土日連続開催で、秋山が参加させていただいたのは2日目の日曜日の方です。
会場の様子
14時ぴったりにお店にお伺いしたら、ちょうど参加サークルさん同士によるゲームの紹介が始まったタイミングで、7サークルによる計8作の紹介をいただきました。
土曜日は一般参加者も多かったとのことですが、日曜日は14時の段階では秋山とぺこらさんの2人だけで、なんだか恐縮と言うか、来てよかったと感じました(ちなみに、最後まで一般参加者は2人だけということはなく、少し後に増えました)。
メリーアンドリューワークス『ギルド・オブ・ダイス』
最初に遊ばせていただいたのは、メリーアンドリューワークスさんの新作『ギルド・オブ・ダイス』。
プレイヤはギルドのマスターとなり、剣と魔法の国であるモーランドの覇権を手に入れるべく冒険に繰り出します。
系統としては、ダイスプレイスメントに近しいなと感じました。ラウンドごとにダイスを3~4個振って、その出目に応じてギルドメンバーを該当するエリアに派遣します。各エリアには、何人のワーカーが配置されたときにミッションが達成されるかの数と、ミッション達成時の報酬が書かれています。
ときには他プレイヤと協力し、ときには自分だけでエリアを独占することで、お金を稼ぎ、勇敢さをアピールし、名声を獲得します。
3人で遊んでプレイ時間は1時間7分。正統派中量級ゲームという印象でした。
基本はダイスゲームなので、出目に恵まれれば走れるのですが、5や6など高い目を出したから強いということはなく、1や2のように小さい出目が強いときも多く、1が欲しいため6を振り直すみたいな場面も多々ありました。
また、ダイス目以上に手番順が重要です。多くのワーカープレイスメントがそうであるように、各エリアは早いもの勝ちなので、他プレイヤの出目と、やるであろうことを想像しつつプレイしないと、手番損になってしまう事態があります。ワーカープレイスメントに慣れているプレイヤ同士だと、読み合いの激しいゲーム展開になるような気がします。
価格は2500円。これだけ遊べて、この価格はめちゃくちゃ安いと感じました。
有験工房『ドライヴォルデの後継者』
続けて遊ばせていただいたのは、有験工房さんの新作『ドライヴォルデの後継者』。
英語タイトルは『Successor of Dreiworte』ということで、英語とドイツ語が入り混じっていて気持ち悪いなと思ったのですが、Dreiworteというのは人名だそうです。
魔法を唱えるには長い詠唱が必要だったファンタジー世界において、たった三語の呪文で魔法を唱えられるようにした天才魔術師ドライヴォルデの弟子となり、偉大な魔術師の後継者となるべく争うゲームです。
基本的には殴り合いのゲームです。各プレイヤはライフ12からゲームを始め、自分を含むプレイヤにランダムに魔法攻撃を仕掛けたり、自分以外全員にダメージを与えたり、あるいはプレイヤひとりを指定して攻撃したり。とにかく手番が来たら殴ります。殴られたプレイヤは甘んじてダメージを受け止めるか、あるいは属性有利のカードを持っていたらガードすることで攻撃を無効化ないしダメージを軽減することができます。
設定は好みでしたが、プレイ感自体はアメリカンでやや好みから外れました。あんまり、特定プレイヤを積極的に殴る気になれず、ダイスを振ってランダムダメージを撒き散らしたり、HPが多いプレイヤをやむなく指定して攻撃したりしつつ進めました。
ゲームとして面白いのは、場に魔法カードが溜まるとダメージが膨れ上がるのと、防御にもカードを使うので、バトルが激化すると一気にカードが枯渇することです。
つまり、誰かが仕掛けることによって、魔法カードが溜まると攻撃しないともったいない状況になるので攻撃するのですが、大ダメージを受けるわけにはいかないので防御すると、それによって魔法カードがまた溜まってしまうので、一気に激しくなるのです。しかし、激しい攻防の応酬によって、全プレイヤ一斉に手札が不足するので、二巡もすれば、攻撃の時間は終わり、各自、手札を補充する静かな時間が訪れるのが面白かったです。
今回は、ぺこらさんが全体攻撃系のカードを引きまくって、最終的に全体に5点ダメージを撒く魔法で、他3人を同時に撃破し、勝利したのでした。
角刈書店『デンボー!!』
続けて遊ばせていただいたのは、角刈書店さんのリメイク作『デンポー!!』。元々はシュピールエンブリオさんの作品とのことです。
いわゆるコミュニケーションゲームの一種で、ジェスチャーゲームやお絵描きゲームによくあるルールを、ワードゲームの文脈で構築したものです。
プレイヤは回答者と通常プレイヤとに分かれます。通常プレイヤはお題を確認した後に、そのお題を連想するキーワードをカタカナで、それぞれが持っているボードに記載します。全プレイヤの準備が整ったら、いよいよ回答開始。回答者に対して、ボードに書いたカタカナが少ないプレイヤから順にボードを見せていきます。
回答者はボードを見て、1度だけ回答します。その回答が当たっていれば、回答者とボードを出したプレイヤに勝利点が入りますが、外れている場合は、次に文字数が少ないプレイヤがボードを見せることができます。
つまり、より少ない文字数でお題を表現することで、点数を獲得できる機会を高められるわけですが、あんまり文字数が少ないと情報を削りすぎてしまい、かえって伝わらなかったりします。
伝わるか伝わらないかのギリギリの瀬戸際を見極めつつ攻めるのが楽しいパーティゲームです。
おゆうぎ会『Recollection』
最後に遊ばせていただいたのは、おゆうぎ会さんの『Recollection』、拡張入りで。
正体隠蔽系の半協力ゲームです。プレイヤは洋館に閉じ込められてしまったお嬢様と、そのお嬢様が愛読していた絵本の登場人物となります。洋館は、3つの鍵によって封鎖されており、制限時間を迎えてしまう前に、脱出するために必要な3つの鍵を集める必要があります。
しかし、なかなか上手くいきません。
そう、プレイヤのなかに裏切り者がいるのです。ゲーム開始時に配られた使命カードに「裏切り者」と書かれていたプレイヤは裏切り者となり、お嬢様の脱出を手助けするふりをしながら、こっそりと脱出のための鍵を捨てたり、無駄に時間を消費したりするのです。
表面上は協力型の脱出ゲームですが、プレイヤの半分は裏切り者なので、どこか疑心暗鬼になるダークな感じのゲームでした。
この手のゲームは、けっこう好みなので楽しくプレイさせていただきました。各キャラの設定や、12時間経過するたびにストーリーが進行するなど、物語要素もあって楽しめました。しかし、驚いたのは裏設定と言うか、真相です。プレイ終了後に、設定資料集を見せていただいたのですが、度肝を抜かれました。今まで見えていた世界観が瓦解すると言いますか、見え方が180度ひっくり返るようなカタルシスを味わいました。
今のところ、この設定は、特に公開されていないとのことですが、心底驚愕するに間違いありません。
終わりに
と言うわけで計4作遊ばせていただきました。
ほんとうは、もっと遊んでいきたい気持ちもあったのですが、長時間ゲームから遊んでいった結果、そこそこの時間が経ってしまいました。ミスボドの翌日ということもあり疲れもあったので、早々に失礼させていただきました。
人が集まりにくい問題もあるかもしれませんが、応援していますので、是非、今後とも天岩庵さんには続けていただければ幸いです。