雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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リアル脱出ゲームブック記念すべき新シリーズ第1弾『ルネと不思議な箱』の感想

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 SCRAP出版から発売されている『ルネと不思議な箱 ─その町で少女は過去の夢を見る─』を遊びました。
 ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

本の概要

 このブログでも、何度か取り上げていますが改めてご紹介します。
 様々な謎や暗号を解き明かすリアル脱出ゲーム的要素と、パラグラフを追いページを行ったり来たりしつつ物語を読み進めるゲームブック的要素をかねそなえる、その名もリアル脱出ゲームブックです
 元々、SCRAPは立東舎から脱出ゲームブックシリーズと称して4冊。リアル恋愛ゲームブックで1冊、大人の謎解き絵本で1冊と計6冊ほどリリースしていましたが、2016年にSCRAP出版という自社ブランドを立ち上げました。
 今回、紹介する『ルネと不思議な箱』は、SCRAP出版から発売されたリアル脱出ゲームブックシリーズの第1弾で、まさにSCRAPオリジナルとしての仕切り直し作品とも言えるものです



 現在、SCRAP出版からは、リアル脱出ゲームブックシリーズの第2弾として『ルネと秘宝をめぐる旅』、第3弾として『滅びゆく魔法書からの脱出』の計3冊がリリースされています。
 最新の作品に触れたいという方は『滅びゆく魔法書からの脱出』がオススメになりますが、順番に……ということであれば本書『ルネと不思議な箱』がオススメです。個人的な感性として、立東舎時代の作品も悪くはないのですが、やはり最近の謎解きの文脈からするといささか古臭さが否めず……今から、リアル脱出ゲームブックに入るのであれば、この『ルネと不思議な箱』からが最適かなと。


 また、本書で活躍する少女ルネが活躍する、リアル脱出ゲーム『沈みゆく豪華客船からの脱出』という公演もあり、ルネの世界観を様々な経路から楽しめるという観点でもオススメです。

本の感想

 クリアに要した時間は、だいたい7時間
 2人で遊んだので、すべての文章を音読したことで時間が掛かったというのもありますが、それでも謎の分量も多く、ゲームブックとしてのボリュームも、そこそこですので早いひとでも4~5時間は掛かるのでしょうか。
 メモを取らないと、自分がどこまで遊んだかも忘れてしまうでしょうから、遊ぶなら短期間に一気にクリアを目指すことをオススメします。


 SCRAPの脱出ゲームブックは、今までに『十人の憂鬱な容疑者』と『人狼村からの脱出』をプレイ済みですが、この作品がいちばん好きかもしれません。
 章ごとに語り手が異なるというふしぎな構造のため、舞台や世界観を多角的に見ることができますし、ときには時代が変わったりもするので、同じ人物でも昔の姿が見られたりして、物語の奥行きの深さを感じました
 ラス謎だけは、ちょっと首を傾げざるをえませんが、そこに至るまでは、とても雰囲気がよく、上述の通り、これからリアル脱出ゲームブックに入るひとには、自信をもってオススメしたい1冊です

一緒に遊んだぺこらさんとのラジオ

終わりに

 ラジオでも少し喋りましたが、2017年末に『沈みゆく豪華客船からの脱出』を遊びにいく直前に冒頭部分だけ遊び、それ以来、ずっと積んでしまっていたので、ようやくクリアできたと胸をなでおろしました。
 SCRAPのゲームブックは、価格に比してボリュームたっぷりでコストパフォーマンス抜群なんですけれど、どうしてもプレイ時間がかさんでしまって、着手するのに少し勇気を覚えます。まだ積んでいるのが何冊かあるので、順次、崩していきたいですね。