雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

どの帯がすごい?

 id:m_tamasaka:20071222:1198264209で知りました。

 刊行から13年たった文庫本が今年突然、累計60万部のベストセラーになった。きっかけは本に巻くオビの文言を変えたこと。

 見出しと最初の数行を読んで「へぇ」と思いました。
 けれど、同時に「どうせ小畑健のような人気イラストレーターに帯を描いてもらったり、柴咲コウのような人気女優に書いてもらったのだろう」と勘繰りました。……が! 記事の続きを読んで驚愕しました。その帯と言うのが、

「91年度のこのミステリーがすごい! 第1位」

 なのです。
 そして、この帯を腰に巻くことになったのが、志水辰夫の『行きずりの街』です。

行きずりの街 (新潮文庫)

行きずりの街 (新潮文庫)

 ご覧のとおり、1994年に刊行された本です。ハードカバー版は1990年です。
 こんな昔の本が、今、ベストセラーになることも驚きですが、やっぱりいちばんの驚きは「91年度のこのミステリーがすごい! 第1位」という帯ですね。
 こういった「○○年度ランキング1位」という帯は、その年度のうちにしか効果がないように思っていました。もしくは複数のランキングの上位に輝いたならば、それを列挙するという手もありますが、やはり「古いこと」を意識されては、書名と著者名だけ覚えられて古書店に行かれそうな気がします。
 もしくは多くの編集者が秋山と同じように考え、古さを意識させてしまう帯を避けたがゆえに、逆にそこが狙い目になったのかもしれません。
 いやあ、しかし面白いものですね。売れなさそうに思える帯で、逆に売れてしまうと言うのは……。