雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

あんずさんの『ボクと悪魔の正しい関係』を読んだので感想でも


『ボクと悪魔の正しい関係』


作者:あんず
イラスト:ベンジャミン・かよ
発行元:あめだま煎餅

「伝説の悪魔使いに封書を届けてもらいたい」懇意の依頼人より受けた依頼は、不可解でありながらも、破格の報酬を持ったものであった。イータというときに少年、ときにネズミの姿を取る悪魔を使役する青年ヘイトは、「伝説の悪魔使い」を求めてイナマを訪れる。しかし、その日、イナマは不自然なほど厳重に警備されており、ヘイトは門番に追い返されてしまう。あまつさえ、来た道を戻り始めたヘイトは、追いかけてきた門番の襲撃を受けてしまう。一体、イナマでは何が起こっているのか、そして国中で発生している悪魔狩りの裏に潜む陰謀とは……!
 異世界から悪魔を召喚して戦う悪魔使いたちが闊歩するファンタジィ小説。ヘイトとイータ、そして謎の少女トリィを主役としたパートと、悪魔使役制度総指示役のクランヴェルと司令官アンナ=マリアを主役としたパートの二段構えになっているのが印象的でした。片方ではヘイトとイータの関係や、「伝説の悪魔使い」の正体、もう片方では国中で発生している悪魔狩りについて。それぞれのパートに、それぞれのパートを牽引する、明確な“謎”が用意されていたので、その謎を追いかけるように、一定の興味を維持したまま読み進めることが出来ました。特に圧巻だったのは、両パートが交錯する終盤。想像の斜め上をゆく展開に、ちょっと驚かされました。良かったです。
 ところで、ネタバレになりかねないので白黒反転させておきますが、この物語の根幹なす謎のひとつ、ヘイトとイータの関係がハウルの動く城におけるハウルカルシファーの関係に極めて似ていたなあとちょっと感じました。まあ、こんな感じで。