雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

秋葉原ゲーム会20110219

 先日のボドゲオフの際、リッパーさんから『パトリツィア』『ハイソサエティ』『カードカソンヌ』の3作を頂いたので、早速、これをプレイしようとゲーム会を企画したら、なんとリッパーさん当人にお越し頂けました。これでインストする必要がなくなって楽だわー、なんてことを考えた秋山でした。と言うか、事前にルールを読まずに「えいや」でプレイしようとするのはよろしくないですね。開催するなら、せめて一読くらいはしておかなくては。反省です。
 と言う感じで、今日はイエローサブマリン秋葉原RPGショップのゲームスペースを使用させて頂きました。参加者はリッパーさん、リッチー、水池くん、カッチャマンさん、秋山の5名。

パトリツィア


コロレット』や『ズーロレット』で知られるシャハトのボードゲーム。初プレイ。
 高く積み上げることが出来るコンポーネントに、手触りの良いボードが印象的。最初の内は塔を建てることに専念して、貴族の顔を集めるのは後回しにしよう……。そんな感じのことを漫然と考えながらプレイしていたら、凄まじい速度で山札が切れて、あっという間に終盤戦に入っていました。その場その場の目先の利益を優先してカードを取ってしまっていたので、立ち回りのしづらいカードばかりで、自分に利益をもたらすプレイが出来なくなってしまい、仕方なくリッパーさんの邪魔をしたりしていました。ぐへへ。
 スピード感が分かったので、これは、もう少しプレイしたいですね。と言うか、見た目に反して短時間でプレイ出来るので、やりこみたいです。

ハイソサエティ


 次はクニツィアの競りゲーの中でも、比較的、評判の良いカードゲーム。初プレイ……とは言え、実はiPhone版は20回くらいプレイしていました。
「この成金野郎が! ハイソサエティな集会に顔を出してるんじゃねえよ!」
 と敗北者を声高に罵ってやろうと思っていたのですが、1回目の競りからリッチーが飛ばす飛ばす。iPhoneのCPU達であれば、絶対にしないようなカード捌きです。もはや12ドルとか15ドルと言ったカードも高額には見えず、2倍や10点のカードに対し、容赦なく30ドルだとか、35ドルだとか言った掛け声が飛び交います。これは行かん、置いて行かれるぞと秋山も遅ればせながらカードを買い集めたのですが、とき既に遅し*1、残されたカードは価値の低いものばかりで、しかも最終的には、リッチーよりお金を使ってしまい、敗北確定。「この成金野郎が!」と罵られるはめになってしまいましたとさ。ぐすん。
 実にスピーディに1回が終わるので即座に2回目をプレイしましたが、やっぱり勝てませんでした。CPU相手なら、もう百戦百勝なんですが、人間相手だとままならないものですね。だがそこがいい!

チャイナムーン


『ハイソサエティ』が抜群に軽くて良質なゲームだったので、次は少し重厚なゲームをやろうかな。と思い、箱が大きいと言う理由で『チャイナムーン』を開封。初プレイ。
 いやあ……これは、実にかつかつしかったです。正直、ボードゲーム感想サイト等で多用される「かつかつ」という表現が具体的にイメージ出来ていなかったのですが、このゲームは完全に、かつかつでした。運の要素が絡むことはなく、プレイヤの全員が全員、単純に論理で詰めていって最適解を導き出し、その通りにプレイするだけのゲーム。冷静さを失い、うっかりミスを犯したプレイヤは容赦なく失点し、他人のミスを見逃さず、そこに付け入るようにプレイしていったプレイヤが、得点チップを得やすくなる。冷酷なものです。
 ゲーム中、散見されたシーンとしては、自分がプレイし終えた後、自らの失策に気づきハラハラしていたひと*2。目先の利益に踊ってしまい、得点チップを手に入れた直後に待ち受けている落とし穴に気づかないのです。手番が回って来る前に、そのミスに気づいてしまい、他のひとが気づかないだろうかと焦ってしまいたくなる一方、それを気取られてはならぬと澄ました顔をしながら、他のひとのプレイに野次を飛ばしたりするのが楽しかったです。
 これは、きっと2回目以降の方と、手番あたり2分くらいと時間制限を決めてプレイするのが楽しそうですね。

サギ師


『ブラフ』のようなカードゲーム、初プレイ。
「1回だけプレイしたが面白くなかった記憶がある」とリッパーさんが仰っていましたが、なるほど、このままお蔵入りになりそうなくらいでした。
 可愛そうなので計算しましょうかね。
 1種類のカードは0が3枚、1から5が2枚ずつ、6と7が1枚の計15枚。15枚の合計値は43なので、これを15で割ると1枚当たりの標準偏差は43割る15で2.87*3。5人プレイの場合は2.87掛ける5で、期待値は14.35*4。この14.35という数値が基本となり、ここから自分の手札にある実際的な数値を考慮し、後は場に出ている交換されたカードを考慮し、精度を上げて行けば、ある程度、勝てるようにはなると思います。でも、そんな風に計算してプレイして勝てたとして、ほんとうに楽しいのだろうか? それよりかは、今日、カッチャマンさんがやっていたように、手札のカードが0にも関わらず「家は20軒はあるでしょう」と、ちょう強気にプレイして、迷いながらも乗ってしまい、吊られた方が断然に面白い。
 次があれば、事前に期待値のレクチャをしてからですかねえ。

ハゲタカのえじき


 定番ゲームと呼ばれるもの。リッパーさんなら絶対にプレイ済みだから、インストして頂けるだろうと思って持参。最悪だな、秋山。初プレイ。
 このゲームの肝は、他のプレイヤと同じ数字を出さないこと。故に、同じ数字をうっかり出してしまい、番狂わせが発生したときは盛り上がる。けれども、この番狂わせが存外に発生しなかったですね。多分、15ラウンドやって、2回くらいしか「おおおおお!」となる場面はありませんでした。
 ゲーム終了後、リッパーさんが「カードを2式用い、10人でプレイしたときが面白かった」と仰っていましたが、ほむほむと頷いた次第。10人もいれば、さすがに被るカードは増えるでしょうし、その分、どのカードを出そうかという悩みが、より深く、面白味に満ちたものになりそうです。

ズーロレット


 本日の目玉。秋山が愛してやまない『コロレット』の進化版とも言える『ズーロレット』を、リッパーさんがお持ち下さいました。初プレイ。
 ゲームの感想としては、実に悩むの一言です。けして、つまらなくはなかったです。充分に面白かったと言えるでしょう。動物園を経営しているような気分に浸れますし、引いたタイルを、どのトラックに乗せようかと考えているときはゾクゾクします。ぴったり檻がいっぱいになって金貨を入手できたときは嬉しいですし、うっかり子どもが出来てしまったとき「あ、忘れてた!」と悔しがるのも悪くないです。『コロレット』を知らずにプレイしていたら、間違いなく絶賛していたでしょう。しかし、偽れないことに、秋山は、既にして『コロレット』を知ってしまっているのです。あの単純明快なジレンマ、シンプルにしてスマートなルール、それでいて短いプレイ時間。それらが『ズーロレット』では失われてしまっているのです。
 と、思ったのですが、考えてみれば『コロレット』と『ズーロレット』は別のゲームでした。『コロレット』をプレイしたいときは『コロレット』をプレイすればいいし、『ズーロレット』をプレイしたいときは『ズーロレット』をプレイすれば良いわけです。似通っているところはありますが、それを無視すれば『ズーロレット』は、ふつうに良いゲームです。あまり深いことは考えず、良いところだけを評価しましょう。
 と言うわけで、客観的に考えて、本日のベストボドゲは『ズーロレット』に決まりです。
『ズーロレット』を、さらに複雑にした『アクアレット』もやってみたいですね。

ビザンツ


 以前、みっつさんが秋山宅にいらっしゃった際、リッパーさんのボドゲオフでプレイしたと仰られていたので、きっとリッパーさんにインストして頂けるだろうと思って持参。最悪だな、秋山*5。初プレイ。
 これは、まあ、シンプルで良いゲームですね。基本的には、いかに効率的に4点や5点相当の商人のカードを得点に出来るかが勝負。その為には、虎視眈々とカードを蓄えていって、良いカードが市場に出されたときに、積極的に競っていくかがポイントなのですが、あまり高望みしていると、2点や3点をさくさく得点化していったひとに追いつけなくなります。先を越されるのを見ると、つい、そわそわしてしまって、高い金額を叫んでしまい、初心貫徹できません。競りゲーは、この「ついヒートアップしてしまう」と言うのが面白いところであり、秋山の弱さでもありますね。
 気軽に出来るゲームなので、定番として取り出しやすいところに置いておくとしましょうかね。

ワイン商


 事前にルールを読まずにゲーム会本番に臨み、その場でルールを読みながらインストすると言う杜撰さが、秋山主催のゲーム会の売りです。嘘です。初プレイ。
ビザンツ』に続き、これもまた競りゲー。場に出された4枚のカードを競り落とすのが主目的ですが、2位のひとは1位のひとが競り落とすのに使ったカードを入手できて、3位のひとは2位のひとのカードを入手できるので、敢えて2位や3位を狙うという妙味もあります。
 入手したカードは、そのまま次の競りで入札に使うお金カードであると同時に、自分の場札に得点カードとして出すことも出来ます。7枚以上は持つことが出来ないので、競りの結果、7枚を越えた場合のみ写真のように場札を構築し、6枚を維持すると言うのが基本戦略になるの、かな。
 星の多いカードを集めようと思ったのですが、最終的には同じ色を揃えたカッチャマンさんの圧勝だったので、他のひとと競合しない色を集めた方がいいのかもしれません。
 クニツィアの『マネー』に、一味、追加したようなゲームですね。全体的に面白かったですが、難点はカードの価値が小刻み過ぎて、計算しにくいことですねかね。
 存外に早く山札が尽きてしまい、後1枚、足りなくて、ワインセラーを完成させられなかったのが残念です。このゲームは4人が最適人数かもしれませんね。

コロッサル・アリーナ


 なんか今日は競りゲーばっかりですね! と言う話をしていたらカッチャマンさんが、おもむろに鞄から取り出したゲームがありました。それが『コロッサル・アリーナ』、初プレイ。
 インストを受けている段階から、ルールだけ読んで、そのあまりの難解さから放置していたクニツィアの『ギャラクシー』に似ているなあと思っていたら、どうやらリメイクであったことが後に判明しました。最初が『グランドナショナル・ダービー』で、『タイタン・アリーナ』『ギャラクシー』とリメイクを重ね、最新のが『コロッサル・アリーナ』とのこと。
 リッチーが「なにが面白いのか、さっぱり分からん」と言っていたので、秋山の思った面白さについて語ってみたいと思います。
 このゲームは、一言で表現すると賭けと助長と共闘のゲーム、だと思います。基本的には自分がチップを置いた種族が、途中で敗退しないよう、強い数字のカードを置いてあげたり、他の種族に弱いカードを置いてやったりします。しかし、種族は全部で8つもあり、自分のターンにプレイ出来るカードは、たったの1枚です。従って、どんなに自分が賭けている種族に有利なカードを出したとしても、次のターンで、それがあっさりひっくり返されることがあるのです。
 けれど、他のプレイヤ全員が敵と言うわけではありません。ラウンドが進めば、ひとつの種族に他のプレイヤがチップを置くこともあり、そうなったら、その種族を軸に、ふたりのプレイヤが共闘関係となり、緩い同盟が結ばれることになります。ラウンドが進めば進むほど、この緩い同盟は複雑に絡まりあい、上手くチップを置いていけば、かなり有利な立ち位置を確保することも出来ます。
 そこに一石を投じているのが、秘密の賭けです。第一のラウンドにおいてのみ実行が可能で、ひとつの種族を巡る同盟内のパワーバランスを崩しかねない存在。例えば、秋山は今日、最もこのゲームに慣れているであろうと思われるカッチャマンさんがチップを置いたタイタンに対し、秘密の賭けを行いました。この瞬間、秋山視点では、カッチャマンさんと同盟が結ばれたのです*6。どうして他人が賭けた種族に秘密の賭けを行ったかと言うと、前述の通り、ひとりのプレイヤが持つちからは弱く、特定の種族を勝たせようとしても、それは助長に過ぎず、共闘しなければ勝ち残れないからです。カッチャマンさんという慣れたプレイヤと、『ギャラクシー』のルールを知っている秋山がタッグを組めば、タイタンを死なせずに残すことが出来ると踏みました。
 とは言え、中盤、水池くんがタイタンの上に2のカードを置いたときには焦りました。仕方なく秋山自身が、3点のチップを置いているメイジに、自ら1のカードを置き、メイジ敗退を以ってラウンドを終了させたので、慣れているひとには「何故、秋山は自分にとって不利な行動を取ったのか?」=>「それは秘密の賭けがタイタンだから」と見抜かれ、より重点的なタイタン潰しが始まっていたかもしれません。
 秘密の賭けを除き、すべての点数は場に公開されています。暫定1位は、観察すれば誰であるかは明々白々なのです。故に、各プレイヤが行った秘密の賭けの所在が重要になってきます。最も比重の高い秘密の賭けを潰せるかどうかで、勝敗は大きく傾くのですから。
 書きながら考えましたが、秘密の賭けのことを考えると、前言撤回すべきかもしれませんね。このゲームは、賭けと助長と共闘のゲームと言うより、読み合いのゲームである、と。
 いずれにせよ『グランドナショナル・ダービー』を初代とすると、この作品は第四世代とでも言うべきゲームです。愛されていなければ、ここまでリメイクが重ねられることはありません。せっかく手元に『ギャラクシー』があるので、もう少し研究してあげたいですね。

モダンアート


「どなたでもご自由にお遊び下さい」棚に置かれていたクニツィアの傑作『モダンアート』を見つけたのは、リッパーさんでした。競りゲーばかりやった今日一日の最後を飾るのは、このゲームに違いないと言うわけで初プレイ。
 これは、ええ、最高に面白かったですね。自らオークショニアとなって、手札を競売に掛けるのですが、どんどんヒートアップして行くのが最高に面白かったです。特に気に入ったのは自由入札ですが、自ら煽らないといけないため、店内が騒々しすぎるイエサブや、自分たちしかプレイヤがいない自宅では、ちょっと盛り上がりにくいかもしれませんね。他の卓でも適度に騒いでいるボドゲオフや、或いは壇上でプレイして、観客に盛り上げて貰えると、白熱して、高額の応酬が交わされそうです。
……うーん、プレイした直後は「面白かったなあ」としきりに思っていたのですが、いま振り返って見ると、そうでもないような気がしてきました。ちょっと雰囲気に飲まれ過ぎたかもしれません。考えて見ると、手札に制限の少ない競りゲーは、他のプレイヤの金銭感覚によって大きく勝敗が傾きそうです。今日、いちばん堅実なプレイをしていて、実際に1位だったリッパーさんも、しかし、適正価格を熟知している、歴戦のゲーマー相手だと、かつかつな勝負を繰り広げなくてはならなかったのではないでしょうか。そこを打ち崩すのが、自分の手番になったときの盛り上げ次第なのかもしれませんが、だとすれば、ちょっと苦手な部類に属するゲームかもしれません……。

終わりに

 総プレイ10作、そして全てが初プレイと言う、かなり充実した1日でした。ちなみに10作の内、4作が競りゲーでした。競りゲーと言えば『チョコラトル』というゲームを以前にプレイしたことがありますが、あれは面白かったですね。もう1回、プレイしたいなあ……。
 今日、プレイした中でのベストは『ズーロレット』、次点は『コロッサル・アリーナ』。『パトリツィア』『チャイナムーン』『ワイン商』も面白かったです。
 ところで参加者募集段階では『余計な料理人』『出戻り男土下座地獄』『レッドノベンバーを救え!』『ダビデゴリアテ』をプレイしますよと告知を掛けましたが、持って行き忘れたり、ルールを読み終えられませんでした。次回は3月12日です。参加申し込みはこちらから、よろしくお願いします。

*1:或いは時期尚早?

*2:秋山含む。

*3:標準偏差という言葉の意味は知りません。当然、この計算も適当です。

*4:当然、期待値が何であるかも知りません。秋山は中学で数学を捨てた英語英文学科卒。完全なる文系です。

*5:本日、2回目

*6:もちろん、カッチャマンさんには秋山がどの種族に秘密の賭けを行っているか見えないので、これは一方的なものです。