雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

朗読イベント第2回「モジノオト」レポート

 土曜日は同人作家による小さな展示と朗読のイベント第2回「モジノオト」でした。
 谷中ふらここにて、3月1日、3月2日、3月8日、3月9日にて開催され、「異界」をキーワードに、イラストの展示、同人誌の頒布、作品の朗読を行いました。全体の仕切りは、絶対移動中の伊藤鳥子さんが行って、秋山は3月8日だけ雲上回廊プロデュースとして担当させていただきました。
告知のエントリにも、一応、リンクを張っておきましょうかね

谷中ふらここ


 西日暮里で電車を降りて、家を出る前に確認した地図を思い出しながら、のんびりと歩きました。風景を楽しみながら歩いていたら、ショーウィンドウに、ちょっと面白い商品を展示しているお店があって、足を止めたら、そこが、アートギャルリ谷中ふらここ、でした。

貸しギャラリーばあちゃんち


 谷中ふらここさんは、2階を貸しギャラリーとして提供されています。
 ものすごく急で、狭い階段の上に、超絶狭い空間があってばあちゃんちという名前は、その雰囲気をまさに言い表しているように思います。

展示の風景







 スペースでは、宵町めめさんとなかの真美さんのイラストが展示されていたり、三糸ひかりさんが書かれた『絶対移動中』最新号掲載作の一節などが展示されていました。

朗読劇「異界再訪の扉と十三の不思議」


 14時から第1部、16時から第2部ということで、それぞれ1時間ほど朗読劇を行いました。面前で小説作品の朗読を行うのは、2011年4月に開催された第1回「モジノオト」以来なので、ざっと3年ぶりですね。
 作品の舞台裏を語ることは、普段、あまりしませんが、この朗読劇は1回限りのものですので、多少は説明しても良いでしょう。
 今回、朗読したのは『世界再生の書物と一つの楽園』という昨年11月に発表した作品の後日談と言うか、アフターストーリーのようなものとなります。宵町めめさんとコラボできる機会を、最大限に活かす方法として考えました。場所が決まり、時間が決まり、題材が決まったところで、次に行ったのは、一緒に朗読してくれる方の勧誘です。青波零也さん、もにょ紋三郎さん、宵町めめさん、さつきさんにお声掛け差し上げて、皆さんに『世界再生の書物と一つの楽園』を読んでいただいた上で、演じたいキャラクタを選択いただきました。これでキャラクタが決まり、最後にストーリーの着手に入りました。


 朗読に用いる文章というのは、ふつうの文章作品とは一線を画します。
『人は見た目が9割』というベストセラーがありますが、人間は、視覚からの情報を、最も効率的に受け取ることができ、聴覚からの情報を、きちんと整理して理解するのは、けして得意ではありません
 従って、読まれるものとして書かれた小説作品が、聞くものとして書かれた朗読作品として優れているとは限りません
 前回、秋山は『夢白夜』という作品を書いて、3人で、これを朗読しました。この作品は夏目漱石夢十夜』に着想を得た作品で、聞くことを強く意識した作品です。
『世界再生の書物と一つの楽園』のキャラクタたちが代わる代わる登壇し、それぞれに小咄を朗読する。そんなスタイルも検討しましたが、今回は「小説作品を劇の形式で朗読する」ことにしました。鳥子さんの意気込みから、第3回以降も計画している様子が見受けられたので、実験的に、こういうことをやってみてもいいだろうという判断もありました。
 ただし前述のように、小説作品を、ただ単に朗読するのは上策とは言えません。
 そこで
 台本を本にして配布することにしました


 たとえば目を閉じて朗読に集中いただいても構わないけれど、配られた本を目で追いながら朗読で聞いていただいても構わない
 そんな気持ちを込めて、来場者には本という形に落とし込んだ『異界再訪の扉と十三の不思議』をお渡ししました
 本は150部、刷りました。来場された方用に10部、用意していましたが、最終的に来場者は11名となりましたので、ちょっとだけ足りませんでした。満員御礼……と言うか、狭い箱に押し込んでしまい、申し訳ない限りです。
 残った本は文学フリマ等で頒布しますので、是非、お手にとっていただければ幸いです。価格は300円、『世界再生の書物と一つの楽園』の続編ではありますが、前作のネタには触れていないので『異界再訪の扉と十三の不思議』から読んでいただいても、なんら問題ありません。

詠み人知らず

 休憩時間に紙とペンで遊べるゲーム『詠み人知らず』を8人で遊びました。
 出来上がった8句を紹介します。

えんじいろ かじきまぐろに やきいもを
あいしてん よるのとばりに はるつるべ
あしがるの ききしうひうの もじのおと
さかのうえ まさにらくだい ゆめのあた
もじのおと やきをいじって だめだこれ
やくがあり びーだまのおれ ここにあり
かんじよう あきやまたくの じゆうじん
もうすこし これくらいなら らいめいが

 何やらふしぎな句が集まりましたね……6句目に出てくるビー玉が、川底ラムネのビー玉と考えれば、ちょっと面白いかもしれません。

周辺の風景について



 せっかく写真を撮ったので。
 谷中ふらここの向かいにあったお地蔵様と、徒歩、一分くらいの立地にあった貸しスペース谷中の家です。青砥十さんが後輩書記カフェを開催されていたので、遊びに行ったら川底ラムネを貰いました。やったね!

終わりに

 と言うわけで、モジノオトでした。ありがとうございます。
 次回は、いつ頃でしょうかね。
 また、お会いできる日が楽しみです。

Twitterで見かけた感想の引用ご紹介

 亡霊の声、スーツスタイル、鍋。これらは、いずれも再現しづらい、その場に居合わせないと体験できないものです。芸術の価値が、その再現性の低さに宿るとするならば、ここに、それが在った、ということでしょうか。