雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

アンドロイドが実用化された近未来『イヴの時間』がふしぎな話でした

『イヴの時間』を観ました。
 ふしぎな話でした。

イヴの時間 劇場版

イヴの時間 劇場版

 パッと見では、人間と区別がつかないほどに精密に、そして人間らしく作られたアンドロイドが存在する、近未来の日本社会を舞台とした映像作品です。予備知識なく観始めたのですが、最初は、とても意外でした。
 ロボットを排斥しようとする倫理委員会と、アンドロイドに精神依存する人間をドリ系と呼んで蔑むこと。信じられません。人々の暮らしを便利にするために、多くの科学者がいるだろうに、そして彼らの協力なくして、もはや日本経済は回っていないだろうに、ロボットを下に見る? まったく理解できません。
 とは言え。
 案外、そういうものなのかもしれません。
 たとえば農作業ひとつとっても、機械を使った方が、ずっと楽で、確実なはずなのに、人間の手で一から育てたことが売りになりうる。
 なんだか、ギャップを感じますね。
 もし、この世界に生きていたら、とっくの昔に辟易して、アンドロイドを認める、そしてもっと税金の安そうな国に移っていそうです。


 閑話休題。
 観終えてから調べたら、元々はネット上で公開された全6話の作品みたいですね。
 確かに言われてみれば、ひとつの連続した物語と言うより、オムニバス形式だった気がします。


 ふしぎな世界観だなと感じましたが、主題は、あくまで人間であろうと感じました。
 人間の本質であったり、普段は建前や嘘によって守られたりコーティングされているところを、ちょっと剥がして、ちょっと見せられるような、こういった舞台設定が用意されたのかもしれません。
 個人的には、世界観や、そこに至るまでの歴史、経緯、背景が気になる方なので、そちらを観たかった気がしますが、こういうのも良いかもしれません。
 あんまり深く考えずに、ちょっとコーヒーでも飲みながら、ありえるかもしれない未来をぼんやり考える。
 そんな素敵な時間を提供してくれる、すこしふしぎで、素敵なSFでした。
 シーズン2が待ち遠しいです。待っている間に『サカサマのパテマ』も観るとしますか。