雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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謎解きボードゲーム『アリスと謎とくらやみの物語』の感想


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 2年前、エッセン・シュピールで『EXIT』を見た瞬間に、いずれ日本でも出るであろうと思っていましたが、ついに出ました! 自宅で遊べるパッケージ型の謎解き『アリスと謎とくらやみの物語』
 わりと絶賛していきます。

アリスと謎とくらやみの物語について

「謎解きボードゲーム」というジャンル名で、ご存知グループSNEから売り出されたパッケージ型の謎解きです
 ストーリーは『サクラダリセット』や『いなくなれ、群青』で知られる河野裕、デザインはTANSAN、発売はボードゲームで多数の実績を有するコザイクと言うことで、物として非常にしっかりとした作りです。


 謎解きと言えば、国内ではSCRAPがパイオニアではありますが、SCRAPはリアル脱出ゲームを掲げていることからも分かる通り、リアルな体験を重視しており、あまり自宅で遊べるパッケージ型は展開していません。
 一応、SCRAP出版という出版部門を持っており、謎解き本を出してはいますが、ゲームブックの派生だったり、一枚謎を集めたものだったりして、わりと平面感が強いです。


『アリスと謎とくらやみの物語』は、ハードカバーの書籍のような見た目をしていて、ちゃんとした箱に入っていることから、ボードゲームに近しいです。
 また、謎解きという性質上、1回限りしか遊べませんが、いわゆるコンポーネント破壊が一切なく、丁寧に遊びさえすれば、友だち間で貸し借りできますし、謎解きプレイヤよりもボードゲームプレイヤを向いて作られている、という印象です

物語の要素が強いのが良い

 プレイ時間は2人で遊んで1ヒントだけ見て、1時間40分でした
 LINEが必須のゲームでしたが、プレイヤ全員でひとりのトークを共有するので、それぞれのスマートフォン画面を見ているときも、一体感があって良かったですね
 また、この物語がよく出来ていて、さすが河野裕と言いますか、没入感がありました。


 ストーリーも良いです。
「不思議の国」での冒険を終えたアリスが、今度は「くらやみの国」に迷い込んでしまうのですが、国名からも分かる通り、ゲーム開始時点において、ボード上は、ほとんどが黒く塗りつぶされていて、アリスの視界は闇に閉ざされています。
 かろうじて見える範囲を探索するように、LINEでアリスに指示をだしたり、作中の登場人物が出してくる謎を解くことでロウソクを獲得し、ロウソクカードをボード上に配置することで、じょじょに明るくなっていく様子は、見た目にも美しく、冒険している感がありました。

難易度が適切

 上述の通り、ヒントを参照した回数は1回でした。
 まあ、既に脱出回数200を越えてしまっている秋山では、参考にならないかもしれませんが、その秋山が苦戦する、あるいは納得できないレベルの謎はひとつもなく、どれも提示されている情報を、きちんと整理して、精査すれば分かるレベルの難易度だったと感じました。


 ヒント自体も、LINEで発信すればすぐに貰えるので、3~4人で仲良くテーブルを囲みながら遊んでも、ぜんぜん悪くないですね。
 そう!
 多人数で遊ぶことができる
 というのが、本作の最大のメリットにして、素晴らしい点かもしれません
 とにかくLINEの使い方が上手いんですよね。
 今までの多くの作品って、だいたいストーリーはカードに書かれていたりして、誰かひとりが読み手になってそのカードを読み上げる形式だったじゃないですか。そうなると、どうしても読み上げるひとが得られる情報量が多くて有利になってしまいます。
 読み上げるのが得意なメンバーがいない場合、読むのがお仕事になってしまいますし、騒々しい場所だと聞き取れないという事態も往々にしてありました。
 それら諸々の問題が、LINEを有効活用することで解決されているんですよね。


 少なくとも1人はLINEが使えないと成立しないという問題はありますが、LINE必須に舵を切ったのは大正解であると考えます。

国産の安心感

 これも大きいですよね。
『EXIT』にせよ『アンロック』にせよ、海外製です。
 品質は高かったですが、どうしても和訳にあたり不自然な箇所がありましたし、日本人にとっては馴染みがない謎もありました。その点、本作は日本人が手がけていますし、様々な形式で物語体験を提供してきたグループSNEが手がけているので、むしろ優れているくらいです。
 国産の安心感、これは絶大です

ESCALOGUE アリスと謎とくらやみの物語

ESCALOGUE アリスと謎とくらやみの物語

終わりに

 途中にも書きましたが、やっぱり複数人で、仲良く遊べるのが最高ですね
 謎解き畑の方々が手掛ける持ち帰り謎って、どうしても自宅で1人じっくり向かい合うものだったり、多くても2人で肩を並べて遊ぶという感じでしたが、これは3~4人でも充分に遊べます。
 謎解きプレイヤよりも、『EXIT』や『アンロック』が好きなボードゲーマーがターゲティングされている気配を感じますし、そういった方の元に届けばと思う限りです。オススメ! です!!


ストーリーが思ったよりしっかりしていて、読み応えがあって良かったね

そうね。脱出(エスケープ)と対話(ダイアローグ)を組み合わせて、エスカローグと言うだけあるね

LINEの判定も、よく出来ていたね。イラストが暗くて、ちょっと分かりにくいときも、かろうじて見えた範囲で入れれば、意外に反応してくれて良かった

確かに。漢字で○○でもいけたし、ひらがなで○○でもいけたね

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 他にオススメの謎解き、まとめておきました。よろしければ、どうぞ。