グループSNEの謎解きボードゲーム『シャーロック・ホームズの追悼』を遊びました。
ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
ゲームの概要
脱出(エスケープ)と対話(ダイアローグ)を組み合わせた《エスカローグ》シリーズの第2弾です。第1弾『アリスと謎とくらやみの物語』とはシステムが共通しているだけで、物語としての続き物ではありません。
リアル謎解きゲームの文脈で言えば、いわゆる持ち帰り謎。自宅でリアル謎解きゲームさながらの体験が味わえるゲームです。コンポーネント破壊等はありませんが、その本質から1回しか遊べないと言えます。
グループSNE ESCALOGUE シャーロック・ホームズの追悼
- 発売日: 2020/11/06
- メディア: おもちゃ&ホビー
ストーリーの紹介
ホームズは、実験のかたわら奇妙な新聞広告の話を始めた。
タイムズ紙に掲載されたその広告の内容は「暗号の文面」であり、出向者の名前は有名な医学博士、カイル・ロビンソン氏となっていた。
この日以降、ロビンソン博士の新聞広告は毎日「暗号」を変え掲載され続けた。
ワトスンは医師として働く傍ら、新聞に掲載される暗号を読解しようとしたが、どうしてもできなかった。
そして7日後の朝――「暗号の新聞広告」が8枚溜まったとき、ワトスンは同じ新聞の伝言欄に驚くべき記載を発見する。
http://escalogue.3dnovel.jp/holmes/
本日はロビンソン博士の死からちょうど10日目であり、その記念式(故人を通等する儀式)が行われるというのだ。つなり件の新聞広告は、死者が出稿したものだった。
プレイヤーはLINEを通じてシャーロック・ホームズの相棒たるワトソン博士と通信を交わします。
1902年のイギリスでは、タイムズ紙に謎の暗号が広告として掲示されており、その暗号をひとつずつ解き明かすことによって、驚くべき事件が浮き彫りになります。
ゲームの感想
非常に面白かったです。
謎解きボードゲームと題しているからか、前作はボードやタイルなどがありボードゲームらしさを残していましたが、今回はより謎解きに集中しやすいように整理されていた印象です。
また、LINEを用いて作中の登場人物と通信を交わすのですが、フィクションの登場人物であるアリスたちと異なり、ワトソンで会話できるのは、
あのワトソン博士と会話できる!
と、シャーロキアンでなくとも興奮です。 クリアに要した時間は、ノーヒントで3時間40分。
箱にはプレイ時間として2時間~4時間半と記載がありましたが、2時間でのクリアは、相当の猛者でしょう。
あるいは「詰まったらすぐにヒント!」というスタイルで臨めば3時間は切れるかもしれません。
謎解きという観点では、前半は、やや冗長でした。
淡々と小謎を解き進めるだけで、あまり物語も進行せず、進行度をパーセントで示してくれるのですが、解いても解いても「まだ20%か……」みたいな感じで、どちらかと言うと「まだまだ先は長いな」という感じでした。
転機となったのは、前半から中盤に差し掛かる頃合いでしょうか。
入力した回答に対して「想定外」と返されたのですが、それによって狙いと言うか、真相が少し顔を覗かせて一気にテンションが上がりました。
そのまま結末まで突っ走ったのですが、ストーリーがなかなかに考え込まれたもので感服しました。ミステリー好きも納得の大仕掛けです。
また、クリア後に解説を読んで知ったのですが、後半の実装力は凄まじいですね。かなりの労作です。
一緒に遊んだぺこらさんとのラジオ
終わりに
後半の重厚な謎解き体験とストーリーは白眉の一言です。
謎解き好きの方にもホームズ好きの方にも等しくオススメです。