雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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星をも隠す水曜日

『ミステリ系音楽界の夕べ』読書中。松本楽志「ミステリサイト超短編楽志さんの素晴らしい点は、その言葉選びの秀逸さにあると思う。ストーリィや展開は、まるで意味不明なのだけれど、もうとにかく言葉の選出が見事過ぎて、それだけで良いという気になってしまう。夏コミで滅・こぉるさんに会ったとき、彼も似たようなことを言っていて、ただ滅さんはもう少しこの思考を発展させていて「だから彼はあまり長いものを書くべきではない」とかなんとか。そう言えば、これからは触手受け美少女萌えではなく、触手攻め美少女こそ萌えだろうと言っていたけれど、それって正しく半端マニアソフト『空の上のおもちゃ』ではないでしょうかと。トラック「暗闇のほとりで(圧縮版)」未完成の様子ではあるけれど、これだけ書ければたいしたものだと言うのが正直な感想。特に序盤は、否定形で場景を表している場面が多く、非常にハイレベルでした。秋山真琴「ダブ(エ)ストンに見るフロンティアまあ、何て言うか「佐藤友哉も弱い」と書きたいがだけに書いたという訳でないわけでもないと言うよう気がしないでもなくはない。久我明「オフ会殺人事件」これは傑作、三部作の一作目で第二部と第三部は久我さんの手によって一部だけ作られ、今はマコチーノさんが持っているのではないでしょうか。何回目の読み直しか忘れましたが、本当にこれは良いです。踝祐吾「二十円玉五十枚の謎。あ、違った。」これも素晴らしい。実はこれを読んだ当初、あの五十円玉二十枚の謎を知らなかったので、余計に面白く読めたのです。今、読んでみるとこの結末は既出に思え、今ひとつな感じがしないでもないですね。政宗九「ミステリサイトのススメ」今さら言うまでもないことのように感じますが、政宗さんの文章は上手いです。それが上手いと言うことを感じさせずに、ぐいぐいと自然と引き込むように読ませてくれます。このエッセイだって中身はそれほどないし、アンケート結果もそれほど興味深くはないのだけれど、目が文字を追わざるをえないというほどに読ませられます。長年、書き続けられてきただけあって本当、洗練されてます。