
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/06/06
- メディア: 文庫
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中盤までは楽しく読めた。無気力な日々を送っていた主人公は、ある日、唐突に活動的になってしまうのだ。仮に秋山の脳が誰かに移植されたら、その人は自分の身に溢れかえるあまりのバイタリティに困惑することだろう。そんなことを楽しく夢想しながら読み進めた。しかし、そこから徐々にサスペンスタッチに移っていって、後はもう予想通りなのだ。結末が、ただの感動物やサスペンス物に落ち着いてしまっていないのはさすがに見事だが、森博嗣や柄刀一だったら、もっと洗練されているのだろうなあと思ってしまった。まあ、最後はやっぱり泣きそうになったが。