雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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986『そして誰もいなくなった』

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 まだ読んでいなかったのか、……と見せかけて、さすがにこれは再読。十年ぶりぐらいだろうか。
 なんとなくおぼろげにネタを覚えていたのだが、『アクロイド殺し』『オリエント急行殺人事件』と続けて読んだので、もしかして「犯人は誰でもない」のではないかと考えてしまったのだが、まあ、そんなことはなかった。孤島から出られなくなった十人を群像劇的に描いていたり、徐々に減っていくインディアン人形がえも言えぬ怪しさを演出していて、全編に渡って緊迫感が漂っていたように思う。簡潔に言って、面白かった。
 きっと今でもこれがよく勧められる作品なのは、古典だからではなく、名作だからこそだろう。素晴らしかった。