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1029『ストリート・キッズ』

ストリート・キッズ (創元推理文庫)

ストリート・キッズ (創元推理文庫)

 どれだけ言葉を重ねれば、この感動を表現できるのだろうか。
 素晴らしかった。そう、まず何よりもその点をはっきりと言っておく必要があるだろう。素晴らしかった!
 さて……読み始める前に秋山の心を掴んだのは、あらすじに書かれた一節「ナイーブな心を減らず口の陰に隠して」という箇所。ここで、胸が打たれる予感。が、読み始めた直後はピンと来なかった。やっぱり海外物は苦手だなあと思ったぐらい。しかし、十ページも読めば、もうそんなのは幻想だったと気がついた。だって、これは、生半可な言葉では表現できないぐらい奥深くて、切なくて、苦しくて、入り混じった諦念と諦観が、それでも淡い希望を垣間見せ、何とかそれに追いすがろうと走って走って、けれどやっぱりそれには手が届かず、代わりに他の何物にも換えがたいなにかを得ることができたような物語だったからだ。秋山感動。とにかく素晴らしかった。なんだかとても久しぶりに、読書でしか味わうことの出来ない感動を、手に入れることができたような気がする。あー、素晴らしかった。