DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件
- 作者: 西尾維新,小畑健,大場つぐみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/08/01
- メディア: 単行本
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本書は操りと叙述を巧みに組み合わせた、憎たらしくなるほど上手く出来たミステリと断言していいだろう。まず気になったのは竜崎ルエの推論に推論を重ねるタイプの推理が正確とは言いがたいこと(だって、いくらなんでもこの九マイルは遠すぎる)。名探偵としては下の下と読み取れかねない推理ではあるが、相手が世紀の名探偵であるところのLであり、そのLを西尾維新が描いているという点において仕方がないと諦めてしまった。けれど、この推理方法自体が、南空ナオミが竜崎ルエによって操られているという記述と共に、竜崎ルエがLではないという伏線になっていることには考えが及ばなかった。いやあ、上手かった。上手いと言うか、巧い。
しかし、それにしても竜崎ルエというネーミングセンスだけは、どうにかならなかったのだろうか。ルエって……。