- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
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痛々しさよりも、痛快さの方がより表現されているように思った。先に『四畳半神話大系』を読んだのだが、こちらの方がレトリックが弱い分、よりストレートに著者の声が出ていたように思う。それは、自分が弱虫で、虎の威を被った狐であることを知っているが故に、冬眠中の熊を襲い、しかし返り討ちにあったから百円ショップで買ってきた豹柄の布を自身に巻きつけて鼓舞し、なんとか搾り出したような唸りのような呻きのような声だ。高校生や大学生に是非とも勧めたい。