2006-10-27 1149『ロマンス小説の七日間』 ロマンス小説の七日間 (角川文庫)作者: 三浦しをん,こなみ詔子出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2003/11/22メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 38回この商品を含むブログ (128件) を見る 主人公の遠山あかりは、海外ロマンス小説の翻訳家だ。二十八歳の彼女は半同棲中の彼氏が唐突に会社を辞めてしまったことから、彼とすれ違うことが多くなり、翻訳中の小説に自分の願望や嫉妬や困惑を押し付けてしまう。締め切りまでの七日間の現実世界と、全七章のロマンス小説が交互に来る構造の中、甘いラブストーリーに終始するはずだったロマンス小説は、どんどん暗雲が垂れ込めてゆく……。 主人公の「ガーン」という気持ちがそのままストレートに翻訳に反映されていて、読んでいて実に心地よかった。現実世界の事件もさることながら、改変されゆくロマンス小説は、終盤になるほど意外と言うより唖然とするような展開ばかりでたいへん笑える。面白かった。