映画『怪談』上映に続き、主演の尾上菊之助さん、中田秀夫監督に、ゲストの京極夏彦さん、平山夢明さんを加えたトークライヴを開催。皆さん、話上手な方ばかりゆえ、司会役の小生としては、ずいぶん楽をさせていただきました。平山さんによる爆弾質問(!?)あり、京極さんの臨機応変なツッコミあり。最後には真摯な怪談/ホラー談義も。
http://blog.bk1.co.jp/genyo/archives/2007/07/post_1024.php
昨日は九段下にて、映画『怪談』試写会と主演と怪談作家によるトークショーがありました。
トークショーの参加者は、主演の尾上菊之助、監督の中田秀夫、作家の京極夏彦と平山夢明、そして司会の東雅夫でした。秋山はもちろん、東雅夫ファンとしてこのイベントに応募したのですが、映画も非常に楽しむことができました。事前に京極夏彦がこの映画をして「ラブストーリーだ」と言っていたので、ちょっと怪奇現象があったりする恋愛物なのかなと思いきや、全然そんなことはなく、京極先生に騙されたと言っても過言ではありませんでした。もう、最後の方とか、黒木瞳の笑顔だけでも鳥肌が立ちました。
しかし、いざトークショーになって、尾上菊之助がどういう気持ちで演技したかであるとか、監督がシーンのひとつひとつにどういう意味を込めようとしていたかという話を伺うと「ああ、鮮烈な恐怖のイメージに覆い尽くされてしまったけれど、確かにそのシーンを見た瞬間はそのように思ってた」と考え直させられる面が多く、そういうのを積み重ねれば、確かにラブストーリーと読み取ることも、けして不可能な話ではないと反省、京極先生ごめんなさい。
ノートを持参し忘れてしまったためメモを取ることは出来なかったのですが、トークショーの内容も含蓄に富み、得るところが多かったです。怪談であるとか、ホラーであるとかの話に関しては、ほとんどが既知のものでした。京極夏彦の発言は西荻てのひら怪談や『幽』誌上で言っていたことの焼き直しですし、平山夢明の発言も初心者向きの感がありましたし。しかし、それらの理論や経験が映画『怪談』に適用される段になると、俄然、面白味が増すのですよ。つまり、怪談がどういうものであるかは、『幽』を読んだり、実際に怪談小説を読めばなんとなく分かるのですが、その怪談にまつわる理論を、特定の作品に適用させようとすると、これが意外に難しいのですよね。
映画『怪談』……もう一度、見てみたいですね。今度は京極夏彦的視点や平山夢明的視点を意識して、ただ単に映像と音楽とを受容するのではなく、斬りこみ、分析分解するように味わいつくしたいと思います。
そう言えば、京極の人ことid:nadzunaさんもいらしていたそうですが、お会いできませんでした。メールをいただいていたんですが、電源を切ってしまっていました。すみませんー
映画『怪談』は8月4日公開だそうです。7月25日には行川渉によるノベライズも刊行されます。
- 作者: 行川渉,三遊亭円朝,奥寺佐渡子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
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