- 作者: 黒史郎
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2007/05/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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興味深いのは、まったく怖くなかったこと。作中、千秋および彼女が描く絵を中心に様々な怪異が起こるのだが、それらは主人公を見事なまでにスルーし、父娘の間に取り込もうとする女性たちを襲うのだ。主人公が直接的に襲われないため、読者が恐怖を覚えることはあまりないように思う。
http://review.kairou.com/?eid=630268
以下、感想リンク。瑕疵の多い作品だと思うのですが、どこを褒めて、どこを批判するか、ひとによって異なっているのが面白かったです。
細かな恐怖を積み上げ、不気味な雰囲気に満ちた小説だった。特に新しい妻に向けられる悪意が良い。
http://d.hatena.ne.jp/chiyodaku/20070525
読んでいるうちは傑作かもと期待した。だが、そこに至るまでは少し足りなかった。
謎を曖昧にしたままで終わってしまったからだ。そこが残念だが面白い。
文体から構成まですべてにソツがなく見える作品なのに、文章の隅々からは尋常ではない破格さが感じられるところなど、新人とは思えない、――というのはこういう作品に使うんだろうなア、と思わせる逸品でしょう。
http://blog.taipeimonochrome.ddo.jp/wp/markyu/index.php?p=1197
最初の方は細かいことに引っかかっていたけれど、読み進むうちにそんなことは気にならなくなり、怖がりながら続きを急ぎ、ハッピーエンドと思わせておいて、必ずしもそうではない、一難去ってまた一難を予感させる終わり方。どういうことだろうと疑問に感じていたことにも理由があったことがわかった。本を閉じれば恐怖は薄れるが、ふと思い出してぞっとする。
http://kikainokokoro.blog87.fc2.com/blog-entry-125.html
巧みなストーリーティリングで、
http://plaza.rakuten.co.jp/mousui/diary/200706150000/
貧弱な描写力や書き手の勝手な視点の移動、
後半、怪談の核が明らかになっていく過程の雑さをカバー。
補って余りあると言っていい。
最後は慌しく展開して「何じゃそりゃ?」な解決をみたかと思ったのだけど…的なオチ。中途半端な印象を受けました。もしかしたら、惹かれていれば、あの最後はありなのかもしれないけれど、少なくとも私には鬱陶しくて仕方なかった。
http://yaplog.jp/luckx/archive/721