雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

百物語四分の三

 先日、十五桜様主催による百物語の会に参加させていただきました。
 向島百花園という、浅草の近くにある庭園で開催されたのですが、どうやら江戸期において数寄者な方々が百物語を楽しんだ場所であるらしく、雰囲気はバッチリでした。
 百物語を試みるのは、初めてのことでしたが、居心地はけして悪くなかったです。これと言った怪異が起こることもなく*1、粛々と進行したのですが、退屈さを覚えることはなく、最初から最後まで、一定の好奇心を抱いたまま怪談に耳を傾けることができました。残念ながら、時間の制約上、百話を達成することはできず、七十数話までしか出来ませんでしたが、まあ、満足度は高かったです。
 百物語の後は、神社にお参りし、それから近くの居酒屋で打ち上げとなりました。秋山は酒月茗さんから招待メールをいただいて参加したのですが、他の人も少なからず縁があったのか、『幽』関係者や『てのひら怪談』作家が多く参加していたように思います。普段、あまりホラーや怪談に関して語り合うことがないので、いろいろ新鮮でした。特に幽明さんと腑楽さんに知り合えたのは大きかったな、と。比較的、年齢が近しいひとと小説に関する話をすると、強い刺激を受けますね。


 打ち上げの最中、衝撃を受けたことがあります。
 ある参加者が「あれは実話ではなく、創作だ」と言っていたのです。
 秋山はその話は勿論、基本的に参加者が語っていた話は、全て実話だと思っていたので、ちょっとしたショックを受けました。その後、冷静になって振り返ってみると、確かに実話にしては工夫が施されすぎで、脚色が過ぎるような気がしないでもありません。けれど、同時に、あの場においては嘘が真実になってしまいそうな雰囲気が漂っていましたし、何よりも現実と空想の境い目が溶けあっていました。
 夜中にちょっと金縛りにあったという話から、生首に噛み付かれたという話まで。突飛なものだけを聞けば「んな訳あるか」と冷静に対処することが出来るかもしれませんが、それ以前に様々な怪異を聞いてしまっているのです。それに、語り口が軽妙であればあるほど、嘘っぽい話も真実味を帯びてきます。
 いずれ機会があれば、酒を飲みつつ、夜を徹して百物語に挑戦してみたいですね。疲れと酔いにより、オーバーヒートした脳がいかなる幻想を見せてくれるのか。気になりますね。

*1:後に料理男さんから伺ったところ、秋山が語っていた最中に、腰の当たりを人魂が漂ったらしいですが、まったくこれっぽっちも気づきませんでした。