コンセプチュアル・バンド、元気ロケッツ。
宇宙で生まれ育ち、まだ地球へは降りたことのない「30年後の18歳」が歌うというコンセプトを持つからコンセプチュアル・バンドなのであろう。字面からコンセプチュアル・アートを連想しましたが、特に関連性はないらしいです。
石黒正数『ネムルバカ』にあった、ボーカリストの正体を伏せて、話題を喚起するというプロモーション方法も、このコンセプチュアル・バンドに近いような気がしますが、音楽業界において、こういった演出で新人や、新バンドを送り出すのって多いのですかね。小説では、覆面作家ぐらいしか例がないような気がしますけれど。
まあ、そういう外枠はさておき、先日、id:kazutokotohitoさんが初音ミクのオリジナル曲には「初音ミクが歌っている」という物語が付与される、というようなことを言っておられて、へえと思いました。例えば『メルト』はただの片想いの曲であるだけでなく、片想いをしている初音ミクの曲でもある……ということだと思います。
キャラクターソングも似たようなものかもしれませんね。『雪、無音、窓辺にて。』も、ふつうに聴けば、ちょっとふしぎな曲ですけれど、『涼宮ハルヒの憂鬱』を読んで、長門有希を知ってから聴くと、だいぶ異なる曲のように受け止められるかもしれません。
とまれ、上記のようなことを考えながら元気ロケッツを聴いていましたら、なるほどと思わないでもないです。英語の歌詞も、そのうち宇宙語のように聞こえ始めてくるふしぎ。
- アーティスト: 元気ロケッツ
- 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
- 発売日: 2008/07/02
- メディア: CD
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