4月29日から30日にかけて開催されたニコニコ超会議2022内において開催された超歌舞伎『永遠花誉功』を視聴しました。
2016年にはじまった超歌舞伎、コロナの影響を受けて休みつつも、今年で6作目となります。
超歌舞伎の概要
古典歌舞伎と最新の映像技術を組み合わせた新しいタイプの歌舞伎です。
中村獅童、澤村國矢、中村蝶紫、そして初音ミクが舞台上で共演するという現実と虚構が入り混じっており、初音ミクファンのわたしとしては見逃せません。
初音ミクが舞台に立つだけでなく、プロジェクションマッピング等の映像技術で華やかに彩ったり、観客がペンライトを振って、まるでライブのように盛り上がるなど、カジュアルに楽しめます。
超歌舞伎2022の感想
今回の超歌舞伎もコロナ禍仕様となっており、例年であれば歓声を要求するところ、今年はペンライトを振ってくださいや拍手してください等、飛沫感染を意識したスタイルになっていました。
中村獅童も思うところがあったのか、いつもより前口上が長く、超歌舞伎をやる意味、もっと広めたいという想い、古典芸能とはなどを語っていました。
『永遠花誉功』の感想
歌舞伎は不勉強なので物語のあらすじや展開を予習してから臨みましたが、相変わらずすべて説明してくれるので分かりやすいことこの上ないです。「そなたは○○の息子で、○○をやっている○○ではないか~」ですとか「○○して、○○して、○○してきたのは、すべて○○のためだったのだ~」とか、もう、ほんと全部、説明してくれるんですよね。めちゃくちゃ助かります。
今年は劇中曲が大好きな『初音ミクの消失』だったので期待値が高かったのですが、初音ミクという存在を活かすという観点では、過去最高ではないでしょうか。
と言うのも、初音ミク演じる苧環姫は2年前に亡くなっており、現在は屏風に描かれた絵姿に、魂が入ったものだと自ら明かすのです。
屏風に描かれた初音ミクと言えば、2015年の琳派オマージュ展で展示された『初音ミク燕子花屏風図』で印象ばっちりですし、絵姿に魂と言えば素晴らしいMMD動画につけられる「魂実装済み」というタグが思い浮かびます。
何もかもが計算され尽くされていて、巧いとしか言いようがありません。
NTTの映像技術も相まって素晴らしかったです。
終わりに
ラストは安定の『千本桜』でしたね。
心の底から『初音ミクの消失』を歌ってもらいたかったですが、盛り上がりという観点においては『千本桜』には敵いませんからね。
今年はニコニコ超会議を飛び出して、新橋演舞場、京都四條南座、名古屋御園座、福岡博多座で全国ツアーとのことです。成功を収めると同時に、また来年の開催を楽しみにしています。