奇才フリードマン・フリーゼによるFast Forward(ファスト・フォワード)シリーズの第2弾『Fortress(フォートレス)』を遊びました。
『緑の召喚術師』というタイトルで、アークライトが完全日本語版を発行予定ですが、今日現在、未だ製作中というステイタスです。
前段のご説明
・フリーゼがどういうボードゲームデザイナなのか?
・秋山が、フリーゼのどういうところが好きなのか?
・ファスト・フォワードシリーズとは何か?
そこらへんの説明は、すべてシリーズ第1弾の『フィアー』を紹介した際に書ききってしまったので、そちらを読んでいただければ幸いです。
フォートレスの感想
『フィアー』を2時間かけて遊びきった後、そのままの流れで、若干の疲労感を覚えつつ同じメンバーで『フォートレス』を遊びました。『フォートレス』の方が面白いという前評判に期待しつつ……。
メカニズムは、ブラフとセットコレクションの要素を持つ直接攻撃系のカードゲームでしょうか。
場に出ている要塞(フォートレス)カードを、各プレイヤで奪い合い、ゲーム終了時に最も多くのフォートレスを所有している(同値の場合は、より若い数字の要塞カードを持っている)プレイヤが勝利します。
要塞カードの獲得方法は、少し変わっています。場の中央にあるうちは、どのプレイヤが所有しているわけでもなく、手札を裏向きにプレイして攻め込めば、手札がどんなに弱くても落城したことになり、要塞カードを獲得することができます。
面白いのは、この後。プレイヤの物になった後の要塞カードの前には、その要塞カードを攻めるときに使ったカードが、その要塞の守護者として伏せたまま置かれます。そして、他のプレイヤは、その要塞カードを攻め込もうとするときは、数値比べをして、伏せられたカードを上回らないと奪取できないのです。
手番にできることは、カードを引くか攻めるかなので、戦力を充実させるなら序盤は、カードドローを繰り返すしかないのですが、ゲーム終了のタイミングはランダムなので、あんまり手をこまねいていると、ドローしているだけでゲームが終わって負けてしまいます。いつ仕掛けるかが、悩ましいです。
この時点で、まあ、面白いですよね。
ファスト・フォワードシリーズとして面白いのは、ゲームごとに一部のカードが除外され、何枚かの新たなカードが追加されることです。他プレイヤが伏せたカードは、想像するしかないのですが、除外済みのカードを覚えていれば、ある程度は推察できるので、ここらへんでブラフと記憶の要素が出てきます。
展開によっては、先手必勝とばかりに弱小軍団で、次々と要塞を手に入れるべきですが、場面によっては手を整えてから動いた方が堅実だったりします。そこらへん、見極めることを求められるのがデザイン的には面白いです。
が、これは、あくまでメタ的な楽しみ方で、うがった味方をすれば、変にレガシーにせず、最初からこのシステムを押し進めて、これだけで確立されたひとつのゲームにした方が面白くなるのでは? という考えは、どうしても持っています。
ですが、と強く主張したいのですが。
おそらく、ひとつのゲームとしての完成度を追求するのではなく、レガシー系のファスト・フォワードという形式にすることで、ゲームの新たな可能性を提供したかったのがフリーゼの意志なのであろうと秋山は考えます。
終わりに
シンプル過ぎるメカニズムであった『フィアー』と比較すると『フォートレス』は、圧倒的にゲームとして面白いです。ブラフ、読み合い、先手を選ぶか後手を選ぶかの読み合いという観点でも面白く遊べるはずです。
山札の最後の1枚を見るのに要した時間は、1時間半。ぶっ続けで1時間半、遊ぶほどの面白さはないように思いますが、『フィアー』と同じくデザインを楽しむという観点では、得難い体験が得られます。是非、メンバーを選んで楽しんでいただければと願います。
私、なんであんなに勝てなかったのか、分からないんだけれど。どういうこと?
難しい質問だね。敢えて言うならば、仕掛け時を見分けるのが難しいのかも。先手必勝なときもあれば、後手有利なときもあるし
ちょいちょいルールが変わるから、せっかく手札を溜めても、役に立たないときもあるし。そもそも、ブラフがそんなに好きでも嫌いでもないから、よく分からなかった
他に、遊んでいるひとの感想を読んだのだけれど、2人プレイは面白いらしいよ。今度、試してみる?
積みボドゲがなくなったらね
あっ、遠回しに断られた……