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ドイツ年間エキスパートゲーム大賞(KDJ)ノミネート作『ディテクティブ』を紹介

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 多くのボードゲームファンが注目しているドイツ年間ゲーム大賞、今年のノミネート作が発表されましたね。いくつかは日本にも輸入済みで、遊ばれた方も多いかと思います。
 今日は、ノミネート作のひとつ『Detective: A Modern Crime Board Game(ディテクティブ:モダンクライムボードゲーム)』について紹介します。

ゲームの概要とデザイナについて

『ディテクティブ』は、Portal GamesやIello、Pegasus Spieleなどからリリースされているストーリー要素や推理要素などを含む協力ゲームです。
 デザイナはIgnacy Trzewiczek(イグナシー・ツェヴィツェック)。代表作は荒廃したアメリカ合衆国に51番目の州を打ち立てることを目指す『51番目の州』か、無人島に漂流したプレイヤたちが様々な困難と戦うサバイバル協力ゲーム『ロビンソン・クルーソー』などでしょうか。個人的には「小説か!」と驚くほど、長文のストーリーでルールブックが始まる2人用対戦ゲーム『ストロングホールド』のデザイナという印象が強いです。

ゲーム内容について

『ディテクティブ』は1人から5人用のボードゲームです
 各プレイヤは、ゲーム内に登場するキャラクタを1人ずつ担当します。選ばれなかったキャラクタは協力キャラとして登場するので1人で遊ぶときは、選ばれなかった4キャラがお助けキャラとして登場することになります。
 ゲームには、5つの異なるシナリオが入っており、5回楽しめる仕組みです


 最たる特徴としては第4の壁を破壊する必要がある、ということでしょうか
 第4の壁というのは、19世紀の演劇界に発生されたとされる用語で、当時は観客と舞台を隔てる透明な壁を指しました。現在は作られたフィクションの世界と、現実の世界の間にある壁のことで、たとえばマーベルのヒーローであるデッドプールは、第4の壁を破壊する能力を持っており、自身が漫画のキャラクタであると認識しており、読者に語りかけてきたりします。
 このゲームにおける第4の壁の破壊とは即ち、現実世界も調査の対象である、ということです。プレイヤは箱のなかに入っている情報だけでなく、たとえば実際にインターネットで検索することで推理に必要な情報を集めなければならないのです。

このゲームに注目していた理由

 ここ3年ほど、毎年、エッセンで開催されているシュピールに参加していますが、特に昨年は、謎解きや推理物など、物語体験が得られるゲームが人気を博しているなと感じました。
 現地で見聞きした情報は、こちらにまとめているので、よろしければご覧ください。



 しかし、エキスパートゲーム大賞にノミネートされたのには、驚きました。
 この手のゲームとしては、既に『EXIT(イグジット)』が受賞しているので、もう来ないだろうなと思っていたのです。しかし、ノミネートされたとなると、日本からでは想像できないほどドイツでは盛り上がっているのかもしれません。

今後の期待について

 これだけ書いておいてなんですが『ディテクティブ』は遊んでいません!
 昨年のエッセンには、買う予定で参加したのですが、いざ、現地で実物を見たら、あまりの言語依存度の高さに手が出なかったのです。
 第4の壁問題もあり、日本語版のリリースは絶望的だと思っていましたが、ノミネートされたとなると話は別です。日本語化には、文字通り、様々な壁があるでしょうが、国内のパブリッシャー各位には、是非、頑張っていただきたい所存です

終わりに

 大賞の発表は約2ヶ月後の7月22日。楽しみですね!
……ちなみに秋山の一押しだった『富士-脱出-』は、推薦リストにすら入っておらず残念なことこの上ありません。