雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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ウィティヒの2人用アブストラクト『オンバギ』の感想


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 1980年にEdition Perlhuhnより発売された、Reinhold Wittig(ラインホルト・ウィティヒ)による『オンバギ』を遊びました。
 芸術的なボードゲームを多く手がけるウィティヒの中でも、わりと珍しい2人用のアブストラクトです。


『オンバギ』には表題作の他、「オンバギ路地」「デュオンボ」「チェスオン」「やっとこ」など、同じコンポーネントを使い、様々なルールで遊ぶことができますが、今回は表題作のみ遊びました。
『オンバギ』はオンバガッサ皇帝が愛したゲームです。
 かつて皇帝には2人の息子がいて、皇帝はふたりを均等に愛していたので、帝国を2分割して、それぞれに領土を与えました。兄弟は最初こそ、父より与えられた領土を治めていましたが、やがてもう片方を羨ましく思い、国を交換することにしました。こうして、2人の皇帝とそれぞれの臣下は、盛大に引っ越しをするわけですが、引っ越しを終えると、今度は「やっぱり、元の国の方が良かった」と思い直し、再度、交換することにします。
 何度も何度も交換しているうちに、ある宮廷道化師が『オンバギ』というゲームを考案し、皇帝に献上します。2人のプレイヤが向き合い、それぞれの駒を、反対側に送り届けるというルールは、自分たちの愚かな行為を揶揄したもので、以後、2人の皇帝はリアルに国を交換し、引っ越しするのではなく、このゲームに興じて満足したとされます。


……と、いう設定です!!


 前段が長くなりましたが、でも、ルールブックも長いストーリーから入るので仕方ありません。
 ゲーム的には、アブストラクトによくある、自分の駒を、相手の陣地にいちはやく移動させたプレイヤが勝ちというもの


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 特徴的なのは、駒ごとに移動できる距離が決まっているのと、高さの概念があるということ。1の駒を1マスずつしか進めませんが、2の駒や3の駒は、それぞれ2マスと3マスずつ動けます。
 ただ、降りたり登ったりするのにも移動力を用いるので、うまいこと相手の駒を足がかりにしつつ移動するのが肝要です。


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 最終的に、自分の駒をすべて反対側に送り届けることができれば勝利です。
 高さの概念を活用するという観点では、2008年に発売された『ドッカー(Docker)』にも類似のメカニズムがあり、ウィティヒが気に入っていたんだろうなということが察せられます


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 ネスターの土嚢ゲームをはじめ、2人用アブストラクトがお好きな方は、機会があれば試してみてください。


上下移動するときも1歩としてカウントするのが面白かったよね

高さの概念だよね。確かに、ぼくも興味深いと思う

特になにも考えずに遊んだら、負けたよ

アブストラクトはね。1手先を考えないと負けるよ