雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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人間の無意識に潜入するスパイ映画『インセプション』の感想(ネタバレあり)


 クリストファー・ノーラン監督による映画『インセプション』を観ました。
 観るのは2回目です。1回目は7年くらい前でしょうか。借りてきたDVDを自宅で観ました。

観ようと思ったきっかけ

 ずばり、監督がクリストファー・ノーランだったから、です。
 先日、前々から気になっていた『バットマン トリロジー』を観終えて、これが最高に良かったのですが、良かった方向性としてはバットマンだから良かったと言うより、映画として良かったのではないかと思い、同じ監督の異なる作品が観たいと思ったのです
 まず『インセプション』を選んだのは、以前に期せずして観ていて、抜群に面白い作品であることを覚えていたからです。

同じ俳優多すぎぃ!

 視聴を始めて5分。
 気がついてしまいました。
 アーサー役のジョセフ・ゴードン=レヴィットはジョン役、モル役のマリオン・コティヤールはミランダ役、教授役のマイケル・ケインは言うまでもなく執事のアルフレッド役、そして後で気づきましたけれどイームス役のトム・ハーディはベイン役。
 いやはや、いくらなんでも俳優、同じ過ぎではないでしょうか?
 と、思ったらノーラン監督、同じ俳優を積極的に起用することで知られているのですね。ということは、この調子でノーラン作品を追っていくと、まだまだ彼らと出会うことになるのか。混乱しそう……。
 と言うか、発表のタイミング的には『インセプション』の方が『ダークナイト ライジング』より先ですけどね。

CGの使用を避け、フィルムカメラを愛用

 Wikipediaで知ったのですが、可能な限りCGの使用は避けており、撮影が困難な場面は、ミニチュアを使って特撮でやっているらしいですね
『インセプション』の場合、なんと言っても無重力と化したホテルで戦うアーサーが、最高にカッコイイですよね。皆を起こすために、当初の予定から急遽変更して、エレベーターの内部に移動させるなど機転も効きますし、優秀です。
 大掛かりなシーンでは、なんと言っても第3階層の雪の要塞。まったく病院感はありましたけれど、雪原のシーンや雪崩のシーンは良かったですね。後は、虚無の世界。あの精緻に作られた箱庭のような空間は、壮大で、悪夢的で、映画館で観たかったですね。

物語自体について

 好みの展開です。
 ターゲットの夢のなかに侵入し、アイデアを植え付けるというのは、スリリングなあらすじです。
 現実の世界の5分が、夢の世界では1時間というのもよくある感じですが、効果的に機能しているように感じられました。夢の中の夢、その夢の中の夢、どんどん階層を下っていて、異なる時間軸を同時に写しながら、制限時間を意識させるのはドキドキさせられました。
 後は、やっぱりレオナルド・ディカプリオ演じる主人公ドム・コブと、その妻モルの過去ですね。横たわる時の重みを、ずっしりと感じます。

終わりに

「面白い映画だったはず」と思って観始めましたが、覚えていた以上に良い映画で感動しました。やっぱり、ノーラン監督の作品は、肌に合うのかもしれません。
 他の作品も順次、追っていこうと思います。


最初は、よく分からなかったよ。難しかったよ。続編かなって思ったよ

そう言えば、ぺこらさん。観始めて5分で「これ、シリーズ2作目?」って聞いてきたね

うん。後さあ、最後もよく分からなかったんだけれど、なんで、風車が入ってたの? あの金庫の中に入っているのは、女の人が作ったの? おじいちゃんの最後の言葉も、女の人が作ったの??

女の人って、アリアドネのことだと思うけれど、彼女は設計士という役割を与えられていて、夢の世界を構築するときに、その舞台設定を描いている。だから、第1階層がロサンゼルスだったり、第2階層がホテルだったり、第3階層が病院だったりするのは、彼女がデザインしているから。ただし、各階層には、その夢の持ち主が存在していて、その持ち主と一緒に潜っているひとたちの無意識が混ざり合う。たとえば、ロサンゼルスで雨が降っていたのは、調合師のユスフが、シャンパンを飲みすぎてトイレに行きたいと無意識で思ってたから

先に行っておけよ、って感じだよね

まあ、無意識だから仕方ないよ。なので、夢の空間的なデザインは設計士アリアドネが構築していて、夢の全体を包む環境は、夢の持ち主の心理状況の影響を受ける。で、夢の細部の展開や、具体的な内容に関しては、おそらく偽装師のイームスがコントロールしている。彼がロバート・フィッシャーやピーター・ブラウニングの動向を観察して、どのような遺言があれば、親子の関係性に影響を与えられるか考え、調整していたはず

なるほど

従って、ロバートの財布の中に、風車を持った幼少期の写真があったことから、あの風車が金庫の中に入っていれば、ロバートは感動するだろうと考え、金庫の中に、風車があったことにする。と、イームスが考えたから、あそこに風車が生まれた

金庫ってそもそも何なの?

大事な記憶が置かれている場所。通常、コブたちが記憶を盗みに行くときは、他人の夢のなかに入って、金庫のなかの情報を盗む。今回は逆で、他人の記憶にアイデアを植え付けたかったから、金庫のなかに、本来はなかったものを入れるのがミッションだった。で、最初は遺言書を入れておいて、これを読ませるというのが彼らのストーリーだったのだけれど、途中で風車の方が効果的であることに気づいて、差し替えたのだと思う

なるほど、分かった!

いい映画だったと思うよ

難しかったよ~