雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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ジョジョ感と主人公の悪役感が良い『出会って5秒でバトル』の感想

 原作はらわたさいぞう、作画みやこかしわによる異能力バトル漫画『出会って5秒でバトル』を読みました。
 一気に最新話まで駆け抜けてしまい、続きが楽しみで楽しみでしょうがないので、その気持ちをしずめるために、ちょっと感想を書こうと思います。

出会って5秒でバトル(1) (裏少年サンデーコミックス)

出会って5秒でバトル(1) (裏少年サンデーコミックス)

いわゆる異能力バトル漫画

 ふつうの日常に退屈していた16歳の高校生である白柳啓は、ある日、唐突に殺されてしまう。しかし、目が覚めたら、同じような境遇の人々と共に、ふしぎな施設に集められており、固有の能力を与えられ、お互いに戦いあう運命に巻き込まれる……。
 今風に言うと現代要素の強い異世界転生物、少し前なら奥浩哉の『GANTZ』っぽい作品と言えばよいでしょうか。
 元々、Webマンガとして無料公開されていたものを、漫画家のみやこかしわがリメイクしたものを今回は読みました。

頭脳戦が楽しい

 大半の登場人物に与えられている異能力は、比較的、分かりやすいものです。
 たとえば、下記の通り、
・手を大砲に変える能力
・身体能力を5倍にする能力
・木の枝を何でも切れる剣に変える能力
・2秒間無敵になる能力
 まあ、だいたい想像できる能力でしょう。
 シンプルに、これらの能力がぶつかりあってバトルが繰り広げられるのも楽しいものです。
 しかし、この作品を劇的に面白くしているのは、主人公の、信じられないくらい使い勝手が悪い能力です。それは、
相手があなたの能力だと思った能力
 ちょっと、トリッキー過ぎでは!?
 主人公がこんな能力を持っているがゆえに、あれやこれや策を寝るわけですが、自分や仲間たちの能力をなんとか活かして敵と渡り合おうとする頭脳戦が、基本的には最初から最後までずっと楽しいです。

主人公が熱血系ではない

 雰囲気的には『コードギアス』のルルーシュに似ていると感じました
 天才であるが故に日常に飽きていて、巻き込まれた殺し合いをゲーム感覚的に楽しみつつも、ふざけた組織に強い怒りを覚えているというスタンスを、心地よく感じます。
 自分が生き抜くために非道な作戦を考えたり、実際に遂行したりするのですが、巻を追うごとに、仲間を大事にし始めたりして、そういうのも良い感じです。

バトルに徹しているのも好印象

 物語が始まった最初こそ、タイトルにある通り、他の参加者と出会った5秒後には戦っているという雰囲気でしたが、中盤を過ぎると、ちょっと落ち着いてきたかなという気はします。
 それでも、バトル漫画であることに徹している様子は見えており、組織の秘密とか、この世界の謎みたいのも描きつつ、基本はバトルで魅せてくれるのが嬉しいです。

能力の複雑化

 上述した能力は、すべて初期に登場したキャラクタの持っているものですが、後半になるにつれ、説明されても咄嗟に理解できないと言うか、解釈によってはいかようにでも受け取れるのでは? みたいな謎めいた能力が増えてきていて、ジョジョ感が出てきています。
 特に、最新巻のあたりでは、もろに「ゴゴゴゴゴ」を使っていたり、半開きのドアに対して「誰かそこにいるのか?」と問いかけたりして、露骨にジョジョ感があります。
 でも、まあ、嫌いではないです。
 と言うか、第7部以降、ジョジョは複雑になりすぎている気がしていて、ある程度、まとめて読まないと理解できなくなってきているので、ジョジョっぽいけど、分かりやすさを残している少年誌的という立ち位置を心地よく感じます

エロ過ぎないのも大事

 ここは好みが分かれると思うのですが、女性の半裸みたいなサービスシーンが過剰でないのも個人的には好きです
 裏サンデーでの連載なので、よもすればエロいシーンを描くことで人気を得ようともできるはずですが、そういうのは最小限や特典に留めておいて、本編では、ちゃんとバトル漫画に徹しているのが良いですね。

終わりに

 4thプログラム編において、白柳燈夜との対決が、どういう決着に辿り着くのが気になって仕方ないのですが、なんか厄災編が始まってしまって、ちょっともにょもにょしています。
 悪い顔した男同士が、腹に色々と抱えながらポーカーフェイスで平然と話をするような作品が好きなんですよ。

出会って5秒でバトル (11) (裏少年サンデーコミックス)

出会って5秒でバトル (11) (裏少年サンデーコミックス)