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ゲーム『FFBE 幻影戦争』の感想(ネタバレあり)

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 年末にインストールしてログインボーナスだけ貰い続けていた『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』を、最近、真面目に遊んでいます。
 現時点で実装されているストーリー「インタールード~憎しみの書~業と罪」の第3節まで遊び終えたので、感想を書くことにします。尚、ネタバレありなのでご注意ください。

見た目は『FFT』の後継

 タイトルは『FFBE 幻影戦争』ということで、同じソーシャルゲームの『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』と関係性があるように見えます。しかし、内容的には『FFBE』の数百年前の時代が舞台ということで、直接的な関係はない……と思われます。
「思われる」と書いたのは、私自身が『FFBE』をインストールすらしていないので、実際的には分からないからです。色々なサイトを見る限りでは、いわゆる『FF4』『FF5』『FF6』の影響を受けているのが『FFBE』、『FFT』の影響を受けているのが『FFBE 幻影戦争』ということで、『FFBE 幻影戦争』を語る上で注意すべきは『FFBE』よりも『FFT』なのではと感じている次第です

FFBE幻影戦争  WAR OF THE VISIONS

FFBE幻影戦争 WAR OF THE VISIONS

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遊び始めたきっかけ

 最初に遊んだ『FF』はファミコンの『FF2』です。
 以来『FF9』まではリアルタイムで追い掛け、『FF10』以降は触れていません。
『FF10』までの外伝的な作品も、ある程度は遊んでおり『FFT』『FFTA』『DFF』あたりを遊んでいます。そして、この全体的な中で『FFT』は好きな部類……どころか、ベスト3に入るのでは? というくらいに好きです。全人類が遊ぶべきゲームなので、未プレイの方は幸せです。まっさらな気持ちで遊べるのですから……!

 話を戻して『FFBE 幻影戦争』は当初、ソーシャルゲームということで敬遠していましたが、試しに遊んでみるかと始めたのは『FFT』と同じテイストのイラストと世界観、そしてクォータービュー型の戦闘だったからです。

序盤のストーリーは雑の一言

 リオニスの獅子王エルデ、その双子の王子モントとシュテル。リオニス領で賊に襲われていたホルンの姫マシュリー、彼女を護衛していた騎士シュゼルト。そしてマシュリーが嫁ごうとしていたフェネスの王ムラガ。
 これは序盤の、主要な登場人物ですが、この他にも数え切れないほど膨大な登場人物がいて、その関係性は複雑です。
 いえ、複雑なのはいいんですよ、複雑なのは。


 問題は、登場人物の描き方が雑であることですね。
「弱い男には興味がない」と言い放つ鉄の美姫マシュリーは、説明不足もあって序盤は傲慢で頑固な女性でしかありません。そんな彼女にリオニスの王子モントは、許嫁がいる身でありながら何故か惹かれ「君を守る!」とか言い出します。
 全登場人物の中でも屈指の言葉足らずキングこと、リオニス王エルデは輪をかけて酷いです。獅子は我が子を千尋の谷に落とす、ではないけれど第1王子のモントに対する態度は、まあ、百歩譲って分からなくもないですよ。でも、第2王子シュテルに対する態度は、狂っているとしか言いようがありません。彼が闇堕ちして、モントとシュテルが宿命の敵同士となってしまった原因の99%はエルデにあると言って間違いないでしょう


 その他、随所に納得できない展開がよりどりみどりです。
 リオニス王子モントとホルン姫マシュリーの恋物語や、双子の王子の対決を物語の中心として描く企画だったことは分かりますが、そこに辿り着くまでの経緯が雑としか言いようがないんですよね……

松野泰己氏の不在

 と言うわけで、ストーリーに対するフラストレーションが、じわじわと高まっていく過程で「でも松野泰己が関わっているのに、こんな雑なことってありうるだろうか?」と、思い至ったわけです。
 松野泰己氏は『FFT』のディレクターで、『伝説のオウガバトル』と『タクティクスオウガ』のディレクターでもあり、その世界観作りには定評があります。ちなみに『タクティクスオウガ』も全人類が遊ぶべき傑作です。長文感想も書いていますので、よろしければ。



 松野泰己氏が関わっているのにも関わらず、どうしてこんなことになっているのか。その理由を知るべく、早速、検索してみたところ……、

関わってないやんけ!!

 そう、たいへん残念ながら『FFBE 幻影戦争』のプロデューサーは、『FFBE』のプロデューサーでもある広野啓氏。開発に松野泰己氏は関わっていないのでした……

ストーリーの後半は悪くない

 結論として、松野泰己氏の世界観を重視する方に『FFBE 幻影戦争』は向きません。
 私も、もっと早いうちに気づくことができれば良かったのですが「ソーシャルゲーム化するにあたって、松野泰己氏の重厚な世界観は、ある程度、削ぎ落とさざるを得なかったのかも」と考えているうちに、序盤のストーリーを終え、中盤に差し掛かってしまったのです。
 発端はどうあれ、モントとマシュリーが互いに想い合うようになり、そしてモントとシュテルの対決が避けられないものになってから、物語はがぜん面白くなったのです
 他にも、オーとヘレナ、リリシュとラマダ、リレルリラとソシアとヴァライド、ダリオとヴィネラ、オルドアとキルフェ、キトンとシャドウリンクス、リアートとベイロ、そして何と言ってもグラセラですね! けっこう魅力的なキャラクターが盛りだくさんで、群像劇的に語られる物語が、とても好みです

キャラクターが死ぬという衝撃

 後に幻影戦争として語り継がれる物語なので、ゲーム中に描かれているのは戦争です。
 そして、戦争であるからには死は避けられないもの……というわけで、ソーシャルゲームにしては非常に珍しいと思うのですが、わりとキャラが死にます
 それも、ひとりやふたりではなく、けっこうボロボロ死にます。体感ですけれど、SRキャラは3分の1くらいは死んでるんじゃないですかね……?
 キャラクターの死は悲しいし、応援していたキャラの死は信じたくないので、あまり迎合はできませんけれど、物語に深みを生み出しているのは間違いないでしょう。

ソーシャルゲームとしては酷いの一言

 プレイヤーの課金で成り立つソーシャルゲームとしては、もう酷いとしか言いようがないのではないでしょうか。
 通常のガチャはもちろんステップアップガチャに天井、ショップにはリアルマネーで購入できる多様な素材が提供されています。
 また、強化対象が多く、多岐に渡ることも頭を抱えます。ガチャで排出されるキャラクターには上限突破と覚醒の両方が用意されており、各キャラごとにメインジョブ1種類とサブジョブ2種類が用意されており、武器防具アクセサリーをひとつずつ装備でき、ステータスを上昇させるビジョンカードと戦闘中に召喚できる召喚獣が用意されています。
 当然のようにギルドが存在し、1日1回ギルドバトルが開催され、プレイヤー同士が協力マルチバトルに、プレイヤー同士が対決するアリーナ。果ては全体で強力するレイド戦まで実装されています。
 もう、過去連綿と築かれてきたソーシャルゲームの歴史で発明された、ありとあらゆる概念をてんこ盛りにしていると言えます。まさしく、無限に時間とお金を吸い付くそうとする仕組みです
 ソーシャルゲームに慣れてなく、セーブが効かない方は、ほんとうに無限に課金してしまうと思うので、その点だけは重々、気をつけていただきたく……。

終わりに

 他にも、まだまだ言いたいことがあるのですが、これくらいにしておきましょう。
 まとめるとストーリーは、途中から良くなります。雑としか言いようのない序盤に目を瞑ることができれば、後半はけっこう楽しいですし、続きが気になります。
 クォータービュー型の戦闘は奥深くて面白いです。キャラクターが揃ってきたら、あれこれ戦術を練ることができるので、タクティカルシミュレーションがお好きな方は楽しめること請け負いです。ただし、課金や時間泥棒にお気をつけて! では、また!