長らく遊んでいましたが、ようやくクリアしました『龍が如く5 夢、叶えし者』。
と言うわけでプレイ日記も最終回。今回は総括的な感想となります。毎度のご案内ですが、ネタバレありですので、ご注意を。
最終部第1章~第2章
桐生一馬が鈴木の名前を捨て神室町に帰還。そして、ニューセレナを訪れた桐生さんに接触する馬場ちゃん。
時同じくして冴島さんも神室町に帰還、街を歩いていると逢坂興業の勝矢が車に乗っているのを見かける。
今までの主人公や主要登場人物が集まってくると、それだけでテンションが上がりますね。そんな中、冴島さんはまさかの相沢と再会。第1部の最後で、東城会を裏切った森永が、弟分の相沢も殺したと言っていたので怒り心頭でしたが、まさか生きているとは。しかし、だとしたら九州の山奥で発見された、顔の破壊された死体ってのは、なんだったんですかね……?
あれよあれよと言う間に、近江連合の渡瀬までやってきて、ビルの屋上でバトルを終えると、ついに黒幕こと近江連合七代目、黒澤翼が登場。
やっぱり近江連合七代目が黒幕か。このひとの余命が残り少ないっていうのが契機で始まった物語なのに、当の本人が姿を表さないんで、ずっと怪しいと思ってたんだよなー。まさか刑事さんの振りをしていたとは。桐生さんと言い、冴島さんと言い、東城会系のひとの前にしか姿を現さなかったから、今までバレなかったのか
ここで、堂島大吾なり真島吾朗なりが登場して、黒澤翼を倒して終わりと思いきや、勝矢は撃たれるし、堂島も撃たれるし、おいおいおいおいおい、と。
第3章~第4章
一方その頃、遥サイド。
秋山駿と品田辰雄も登場し、いよいよ物語は大詰め。
なんやかんやあって、遥はT-SETのふたりとDREAM LINEを組むということだけれど、うーん。
あずさはともかく、まい。お前のことは許してないからな
すぐに、ほだされてしまう遥に変わって、T-SETのまいを睨みつけます。
そして、いろいろなサブストーリーが解禁されたのを知りつつも、物語の続きが気になって仕方ないので最終決戦に突入……!
と思いきや、真島吾朗の生存が確定! からの人質に……!
お前なにやってんねん
遥狙撃を食い止めるために、戦うことになる冴島さんと真島吾朗。
え、なんで戦う必要あるの? って言うか、真島吾朗、強いんですけど……
一方その頃、日本ドームで対決する品田さんと馬場ちゃん。
え? 馬場ちゃん、改心したみたいだし許したってよ
そして、東城会の本部で待ち受ける、ラスボス。その名は──!
相沢ーっ! え、ちょっと待って? 話についていけない……
ついにラスボスを打ち倒したと思った瞬間、遥が突然、マイクを持ち……、
え~っ、カミングアウトするの、このタイミングで!!
いやはや、まごうことなき怒涛の展開でしたね。
この最終部は、今までののんびり展開とは打って変わって、一気に隠されていた情報が明かされていって、そのたびに情勢や登場人物たちの位置関係も目まぐるしく変化して、まるで映画でしたね。
「完」が出たときは思わず声が漏れました。『龍が如く6』に桐生さんが登場することは知っているので、まったく心配せずに見ていましたが、『5』を新作でプレイされた方にとっては「遥が見つけたことで、桐生さんは救われる」とも「遥は桐生さんの死に目に間にあった」とも読み取れるわけで、衝撃的な結末であったことでしょう。
しかし……冷静になって考えると。いえ、冷静になるまでもなく、果てしなくもやもや感が残ります。
まず、澤村遥。
『5』から入った私には知るよしもありませんが、彼女と桐生さんの間には『龍が如く1』から『龍が如く4』までで培われた絆があったはずです。その絆ゆえに、彼女がカミングアウトしたくなる気持ちは分かります。
けれど、あの場でやる必要あります?
朴さんと真島吾朗だって、お互いに会ってはいないけれど、ずっと想い合っていたという描写があり、澤村遥と桐生一馬が同じような関係になることはできたはずです。日本ドームでの公演は朴さんの夢であり、ダイナチェアに所属する全員の夢であり、なんだったら勝矢や大阪芸能やT-SETたち、関わった秋山の夢だって乗っかっていました。
結果的に『6』で桐生さんが生きている以上、遥が間に合ったから桐生さんは救われたわけで、それはそれで良かったと思いますけれど、あの時点で遥にこの未来は見えていなかったわけで、あの場でカミングアウトする必然性が皆無です。
うーむ、不完全燃焼です。
後は、結局、真島吾朗についても不可解でした。
黒幕をあぶりだすために潜伏していたというのは分かりますが、結局、堂島大吾と同じく、ボスを相手に返り討ちにあっていますし、潜伏して機会を窺っていたわりには甘ちゃんで、詰めの悪さによって状況が悪化しています。
構造的に「各主人公にひとりずつボスを充てがいたいよね」という作り手側の要請によって登場させられ、冴島さんの前に立ちふさがることになっただけ、という雰囲気が否めません。朴さんは、こんな男のどこが良かったんだとしか思えません……。
後は、相沢ですよねえ。
福岡で、森永と一緒にいるところを初めて会ったときが、いちばん良かったですよ。地下闘技場で背中に鯉が描かれているのを見たときに、なんだか嫌な予感がしたんですが……まあ、もういいです。物語の起伏を派手にするために、様々な役割を与えられてしまい、キャラクターが歪んでしまった典型ではないでしょうか。
総括的な感想
想像ですけれど、シリーズ完結編として構想されたのでしょうか。
シリーズキャラクターを全員登場させて、彼らに均等に活躍させて、それぞれの物語に決着をつけさせる。そう考えると冴島と真島は対決せざるをえなかったでしょうし、澤村遥もアイドルになるという夢を叶えると同時に、卒業もしくは引退して桐生さんと再会せざるをえなかったのかもしれません。
壮大な物語の結末として、仕方のない着地なのかもしれず、シリーズを追っていたプレイヤー的には納得かもしれませんが『5』から入った身としては、やはり不完全燃焼です。
ゲーム自体は、とても面白かったです。
事前の想像とは、まったく異なる体験ができました。てっきり、もっと安易でチープな、ヤクザバトル物かと思っていたのです。各都市の再現度は高く、そこで生きる人々の人生にはリアリティがあり、桐生さんや冴島さんといった男たちの人生を、追体験するようなゲーム体験ができました。
特に冴島さんのマタギは面白かったのと、遥の握手会等のアイドルとしての活動も、ファンの獲得やファンとの交流を仮想的に再現していたのだと捉えると、とてもよくできていたように感じます。
……はあ、遥のことを思い出すと、どうしても、あのカミングアウトを思い返してしまうので、いったん脇に置いておきましょう。
途中から結末が気になって仕方なかったので、多くのサブストーリーは、そのままにしています。キャバクラも面倒だったので、ほとんど女の子たちとは会話していません。やり込もうと思えば、もう10時間か20時間は楽しめそうです。
第4部の品田さん編を遊び終えた頃は、いちばんテンションが高かったかもしれません。
『龍が如く』面白い! 今やってる『5』を終えたら『6』に着手しようかな? それとも『0』に戻って順番に遊ぼうかなっ?
膨大なプレイ時間を求められそうな気配を覚えつつも、この魅力たっぷりな男たちの世界観にもっと浸りたい、そう思っていました。
しかし「完」を見た瞬間、心に残っていたのは虚無でした。
こんな結末を見るために60時間も遊んでいたんじゃないんだよなあ……が、正直な感想です。残念でなりません。もう、ほんとうに、やれやれです。
終わりに
難易度はEASYで、総プレイ時間は64時間。コンプリートトータルは32.13%です。
64時間も遊んで、まだようやく3分の1と考えると狂気の沙汰ではありませんね。まだまだ楽しめそうです。いったんエンディングを見終えたら、もう少しサブストーリーを遊ぼうかなと思っていたのですが「完」を見た瞬間にちょっとテンションが落ちてしまい、いったん寝かせてもいいかなと……相沢戦までは、ぜんぜん楽しく遊んでいたんですけれどね……。