東京ミステリーサーカス5月13日から8月9日にかけて開催中のリアル脱出ゲーム『最果てのミステリーサーカスからの脱出』を遊んできました。
ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
ゲームの概要
4人1組となって挑む、制限時間60分のホール型の公演です。
会場は東京ミステリーサーカスの地下、ヒミツキチラボ(大ホール)。
きださおりさんがディレクターということで、同会場で『沈みゆく豪華客船からの脱出』や『さよなら、僕等のマジックアワー』をプレイ済みの方にとっては、慣れているスタイルであることでしょう。
ストーリーの紹介
東京ミステリーサーカスでリアル脱出ゲームを遊んでいるあなた。すると突如謎の衝撃に襲われる。停電し、混乱する会場。そこへ、防護服を着た人達が入ってくる。
「旧新宿区、東京ミステリーサーカス跡地に人影発見! ただちに確保します!」
「いや、こんなに大勢の人間がいるなんて、何かがおかしい!」彼等と話すと、衝撃的な事実が判明する。どうやらあなたは、部屋ごと未来にタイムスリップしてしまったようだ。そして、あなたが目にした未来の東京、新宿は、生物も植物も存在しない、荒れ果てた地となっていた。
「東京がこんな風になってしまったのは、2021年にここで起こった大爆発が原因です。私たちは、その謎を解き明かすために、この土地に調査に来ています。もし、この爆発を止められれば、未来は変えることができるかもしれない。」
あなたは、東京ミステリーサーカスで起こった爆発の謎を解き明かし、この場所を救い、元いた時代に帰ることができるだろうか。
これは、あなたの勇気が、未来を変える物語。
https://mysterycircus.jp/saihate/
プレイヤー東京ミステリーサーカスでリアル脱出ゲームを遊んでいる「あなた」自身。未来にタイムスリップした謎解きプレイヤーとして、世界の改変を目指します。
ゲームの感想
他ならぬ会場である東京ミステリーサーカスそれ自体をテーマにした、オリジナル公演。
廃墟感のあるイメージイラストに加え、タイムスリップというキーワードが好みのど真ん中で、発表された瞬間は、テンションが上がりました。
ほんとうはゴールデンウィーク直前にスタートし、ゴールデンウィーク中のプレイヤーを迎え入れるはずが、緊急事態宣言によって5月13日スタートになってしまったことは残念でなりません。
私も参加するタイミングを逸してしまい、終了を間近に迎えた先日、ようやく挑戦することができました。
平日の夜に参加したのですが、総参加者は10チームほどだったでしょうか。本来は4人1組でしたが、3人で挑戦することになりました。
感想としては……、
脱出成功できました! 未来を変えることができました! 東京ミステリーサーカスを、救ったぞー!!
いやあ、傑作でしたね。
『さよなら、僕等のマジックアワー』が『君は明日と消えていった』の系譜にあるとすれば、本作は『沈みゆく豪華客船からの脱出』の系譜にあるかもしれません。
『君は明日と消えていった』と『さよなら、僕等のマジックアワー』も好きなんですけれど、ちょっと青春要素が前面に押し出されすぎている気がして、個人的には『沈みゆく豪華客船からの脱出』の方が好きなんですけれど、この観点から言って本作は、まさに求めているものでした。やや難解なストーリー展開も、劇団ノーミーツが関わっているからか、きちんと整理され、分かりやすく魅力的に構成されていました。
リアル脱出ゲームって、遊べば遊ぶほど客観的にゲームを見てしまうように感じます。
どんなに没入感を高めに作られた作品でも、どうしても一歩引いてしまうと言うか、冷静になって分析している自分がいます。しかし本作は違いました。
遊びはじめこそ「あー、はいはい。今回は、こういう系統ね」と斜に構えていましたが、終盤を迎える頃には、
俺たちにしかできない! 俺たちが東京ミステリーサーカスを救うんだ!
と我ながら引くぐらい、物語世界に入り込んでいました。
それだけに解説の後に脱出成功チームとして、チーム番号を呼ばれたときは安堵しましたし、しぜんとガッツポーズを取っていました。
終わりに
リアル脱出ゲームに思い入れがあるひとほど、東京ミステリーサーカスが好きなひとほど楽しめると思います。
オススメ公演ですので、公演期間は残り少ないので、ぜひ多くの方に駆け込みで遊んでいただきたいですし、再演の機会には楽しんでいただければと願うばかりです。