4月15日に封切られたシリーズ最新作『劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁』を初日に見てきました。
非常に素晴らしい作品だったので感想を書きます。具体的なネタバレはしていませんが、公開されているストーリーには触れているのと、雰囲気バレはあるかもしれませんので、気になる方は回れ右推奨です。
映画の概要
本作は『劇場版名探偵コナン』シリーズ第25弾です。
シリーズで興行収入を見ると、1000億円を越えており、『ドラえもん』、『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』シリーズに次いで3位にランクインしており、国民的アニメ映画シリーズと言えます。
劇場版は毎回、シリーズキャラクターの誰かひとり、ないし複数がフォーカスされており、近年で言うと『から紅の恋歌』は服部平次、『ゼロの執行人』は安室透、『紺碧の拳』は怪盗キッドと京極真、『緋色の弾丸』は赤井一家が中心に据えられていました。
本作は、この傾向からすると少し珍しく、テレビスペシャル『揺れる警視庁 1200万人の人質』の後日談的な位置づけになっており、降谷零（安室透）を含む警察学校組と、高木渉と佐藤美和子を中心に警視庁捜査一課と警察全体が取り上げられています。
脚本は『福家警部補の挨拶』で知られる大倉崇裕です。
映画の感想
傑作でした。
近年の劇場版名探偵コナンのなかでは、群を抜いているように感じました。
主要な登場人物が警察関係者なので、全体的に大人度が高かったです。
たとえば恋愛要素ひとつとっても、高木渉と佐藤美和子のそれは、工藤新一と毛利蘭や、服部平次と遠山和葉の甘酸っぱいものとは一線を画すので、見ていて安定感がありました。
敵の存在も同様ですね。
今回の敵は安室透はじめ警察学校組の面々を敵視しており、最初から警察を敵に回す覚悟で立ち回っています。用意周到で、その手腕は悪辣とも言えます。今までの敵としてはレベルが1段も2段も上で、底の見えない悪意に渋谷が晒される様子には、得体のしれない恐怖を覚えました。
真価は、なんといっても奥行きのある物語と、絶妙としか言いようのない展開でしょう。
非情なる爆弾魔に対抗するためにヒントを過去に求め、回想という手段で過去と現在の二層構造を展開しつつ、ドミノ倒しのように精巧に伏線を回収しつつ、ラストのクライマックスに持っていくのは圧巻でした。
終わりに
良いシーンだらけだったので、ネタバレなしで感想を書こうとすると難儀しますね……。
それにしても、安室さんは『ゼロの執行人』の脚本と主題歌も素晴らしかったですし、ほんとうに恵まれてますね。もう、ただひたすら2時間、赤井さんが活躍するだけの回を待ってます……！
