雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

2023年9月に遊んだり触れたりしたもの


 皆さん、こんにちは。秋山です。
 9月に遊んだり触れたりしたものを振り返ります。

ホーンテッドマンション

TRAP

アナと雪の女王(ミュージカル)

健太郎さん

夜明けのまちを歩く、ドラゴンの卵と魔法の祭壇、どうぶつレストラン

チャレンジャーズ

ニューダンガンロンパV3

オペラ座の怪人(映画)

アリスとテレスのまぼろし工場

あの蝉のこえはもうとどかない

結城真一郎『#真相をお話しします』

 マッチングアプリやYouTuber等、今風のテーマを扱いながら、2段落ち、3段落ちのサイコホラーに仕立て上げた短編集。完成度が高く、人気を博しているのも納得。今の世の中において、エンターテイメントとして、これ以上はないのでは。

相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』

 シリーズ第2巻は、どう仕立て上げるのかと思ったけれど、倒叙の中短編集。前作より驚きは少なかったけれど、探偵の推理を推理する挑戦状は、面白いと感じた。収録作3作の中では「信用ならない目撃者」が良かった。やっぱり倒叙の場合、用意周到で頭脳明晰な犯人の方が盛り上がる。

久保りこ『爆弾犯と殺人犯の物語』

 極めて限られたクローズドな世界観に、透明感のある筆致。主となる語り手の破滅的な感性含めて稀薄で、今ひとつ共感は抱けなかったけれど、こういう空気感がとてもなく堪らなく感じるひとはいるだろうなと感じた。2編目と4編目が好み。

相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』

 倒叙シリーズ第2弾。「生者の言伝」は見事にやられました。倒叙の面白さは頭の良い計画犯が探偵と鎬を削るところなんだから、こんな少年が城塚翡翠相手に渡り合えるわけがなかろうと思っていただけに、いやはや。表題作「除き窓の死角」はパンチのある作品。アリバイトリック自体は容易だけれど、その周辺の完成度が高い。

道尾秀介『いけない』

 最終ページの写真を見た瞬間に、物語の様相が180度反転する! いわゆる最後の一撃を文章だけでなく視覚情報を用いて行っている作品。道尾秀介らしいゲーム的な仕掛けに興味を覚えて手に取ったけれど、期待していた方向性とは少し違っていた。

柳川一『三人書房』

 小説家として世に出る前、まだ2人の弟たちと共に三人書房という古書店を営んでいた頃の江戸川乱歩を描いた連作短編。大正初期の空気感が清々しく描かれていて、端正な筆致だなあと思っていたら、69歳で新人賞を受けてデビューした新人の作品と知り仰天。

三人書房

三人書房

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織守きょうや『彼女はそこにいる』

 語り手を変えながら一軒の家を中心に巡る作品。第1話はホラーだったけれど、第2話以降はミステリ色が強くなって、最終的には「ほんとうに怖いのは幽霊じゃなくて人間だよね」とゾクリと来る展開。

五条紀夫『クローズドサスペンスヘブン』

 首を斬られて死んだ6人が死後の世界で、自分たちの死の真相を探るミステリ。面白い舞台設定ではあるけれど、どこまでがありでどこからがなしなのか今ひとつ分からず、後半はちょっと置いていかれてしまったかもしれない。

早坂吝『しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人』

 いやー、面白かった! 終始、けれん味に満ちた作風に、ひとを食った展開。終盤の展開はもう少しパンチを効かせられるような気がしないでもないけれど、返って犯人の犯人たる所以が表現されていると言えるかもしれない。