雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

未開拓の島で覇権を争う『エンデの建国者』を遊びました

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 第1回東京ドイツゲーム賞を『枯山水』で受賞した、山田空太さん率いるimagine GAMESのゲームマーケット2016秋の新作『エンデの建国者』を遊びました。
 これは面白いですね。
 最初は『カタンの開拓者たち』っぽいゲームかなと感じましたが、遊んでみた結果としては『スモールワールド』に近しい感じでした。


 プレイヤの目的は、勝利点8点を得るか、ボード上に城を建設するかのいずれかです。
 手番が来たらアクションカードをプレイして、ボード上に小屋コマを配置したり、小屋コマが配置されているエリアから資源を収穫したり、資源を消費して小屋コマを特殊建物コマに進化させたり、造船したり馬を購入したり、他プレイヤに戦争を仕掛けたりします。
 小屋コマを特殊建物コマに進化させると、手番を消費せずにストックと資源を交換できたり、保持できる資源が6個から10個に増えたり、収穫量が増えたり、戦争を有利に進めることができたり、1ラウンドのアクション回数が3回か4回に増えたりとメリットが多いですが、小屋を潰すことになるので、一時的に生産量が減ることになります。


 ランダム要素はプレイ順を決めるところだけで、一度、ゲームが始まったら、後は他プレイヤとのインタラクションだけで進んでいきます。
 この手のゲームにしては、極めて完成度が高く、何度もテストプレイを重ねたであろうことが推し量れます。


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 実際のゲーム展開においては、下記のような場面がありました。


「あー、どうしよう。手番、余っちゃった。じゃあ、名誉トークン欲しいし、資源もあるし宿屋を建てます」


「え? え……? それは話が変わったなあ。このラウンド、宿屋を建てるために、小屋を配置していったのに。うーん、じゃあ、ここは宿屋はいったん見送って、修道院を建てます」


「なん……だと? うーん、ちょっと辛いけれど、仕方ない。ぼくも修道院を建てます」


 こんな感じで、他プレイヤの選択ひとつで、がらりと絵が変わっていくわけですが、どのプレイヤが、どんなアクションを取ることができるかは分かっていますし、それまでに獲得した資源も分かっているので、注意深く他プレイヤの動向を見守っていれば、ぜんぜん読み切れるはずなんですよね。
 この連動してる感は、終盤にもあって。


(見えた……! このラウンドの最終手番で建設すれば8点に到達して勝利だ!)


「あー、勝利点欲しいなあ。じゃあ、いちばん戦力の低い、秋山さんを攻め込みます」


「え? あ、はい。負けました」


「じゃあ、この修道院を破棄させて貰いますね」


(あれ……? 修道院がなくなったら、手番が4回から3回に減って、このラウンドの内に建設できなくなる! うーん、まあ、でも次のラウンドはスタピーだから、勝利が1ラウンド遅れるだけで結果は同じか)


「あ、ぼくも秋山さんを攻めます」


「マジっすか」


「この納屋、破棄しておきますね」


「カードをひっくり返して納屋から倉庫に戻して、資源が溢れていたらストックに戻してくださいね」


(あれー? 建設するのに資源が6つ必要だから、次のラウンドの初手で建設するためには名誉トークンを捨てないと。ということは、建設アクションの後に、もう1回、農夫を打って鉱石を収穫しないと8点に届かない! うーん、この1手番で差し込まれそうだー……)


「ええと、建設します。2点獲得で7点、うーん、1点足りない。ターンエンド、です」


「私も建設します。で、8点達成。勝ったー!」


 負けました。
 終盤、2回連続で戦争を挑まれて、一気に差し込まれた感じです。
 終了後に確認したら、いずれのプレイヤも、後1手番か2手番で勝利というところだったので、けっこう接戦だった様子です。


 このように書くと、戦争しないと勝てない。みたいに読めてしまうかもしれませんが、そうではなくて、勝ち筋が複数ある感じです。
 まずはちまちま稼いで8点を目指すか、一気に城を建てて勝利を目指すかの2択があって、8点を目指すルートの中にも、建設しまくったり戦争しまくったり、豊富な選択肢があります。
 いずれのルートも現実味があって、システム的に有利不利はなさそうです。敢えて言うと、目指している方向性が他プレイヤと被ると、共倒れする可能性があるくらいです。


 前述の通り、非常に完成度が高いと感じました。
 一緒に遊ぶメンバーによって、けっこう異なる展開を追うことになりそうです。こういう硬いゲームが国内から出てくるのは、非常に喜ばしいですね。