もーじょーげんごろん!
と、言うわけで斎藤美奈子の『L文学完全読本』です。
オタクその他を語る上で外せないのが、その少女版。別にボーイズラブとかヤオイとかではなく、百合とかカップリングとかでもなく、まあ少女向けと言うか、コバルトと言うか。名称自体はどうでもいいだろう。
そういったジャンルが存在することは知っている。けれども、存在を知っているだけで、それがどういったジャンルなのか、どのような変遷を迎えてどのような作家を輩出してきたのか、そういったことはまるで知らない。
触らぬ神に祟りなし、と言うわけで今までそのジャンルへの言及は避けてきたのだが、避けていると知らないものと見なされて色々言われてしまう。しかも、そういった人に限って何も教えてくれなくて、お前本当は何も知らないのに言ってみたいだけじゃなかったのかと小一時間。
前フリはこれぐらいにしておいて、さて、L文学です。
刊行されたのは昨年の12月。ちょうど1年前。内容は“女性の女性による女性のためのL文学”という斎藤美奈子が作った概念に際して、様々な人がエッセイを書いたり、コラムを書いたりしています。
具体的にはL文学の前史となる『若草物語』や『家なき娘』から始まって、コバルト四天王、ティーンズハート、ファンタジィ、キャラクタなどを経て、『マリア様がみてる』まで語ったり。ドラマ、漫画、音楽、エッセイ、他のジャンルに見られるL、男性作者によるLなどに関連付けている。
特筆すべきは、その年表の数。コバルト文庫年表、連ドラ年表、邦楽年表、ミステリ年表、SF&ファンタジィ年表、エッセイ年表。とにかく年表が豊富。それに加え、オススメリストやグラフや表なども多く、資料的価値も高め。また網羅している作家も多く、楽しく読める箇所が所々あるのもいい。ブックガイド全250冊+作家コラム26人は伊達じゃない。
とりあえずコバルト年表とエッセイ年表だけコピィを取って保管。受験が終わったら役に立つかもしれないだろう。