- 作者: 綿矢りさ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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第38回文藝賞受賞作。最年少17歳。若い作家が書くのは大抵、その作家を取り囲む小さな世界観であるから、きっとこの作品では若い作家にしては広い世界観を持っているのだろうと思ったら全くの逆で、この作品は自己という小さな世界しか描いていない。しかも自分が存在している家の中の部屋の中の、そのさらに押入れの中。そんな狭い世界を描きながら、しかし全然、鬱屈としているわけでも葛藤しているわけでもなく、さらりと流している。スタイリッシュだ、とは思う。一時間ほどで読めるし、意図的に軽くされているテーマが心地よいと言えば心地よい。