にしても文学フリマは楽しかった。はてな界隈では第二回と比較してつまらないと言っている人もいるけれど。第一回のときは即売会自体にあまり興味がなく、第二回のときは都立大で行われた宮台真司と東浩紀の対談の方に行ってしまったので、今回が初。ああ、前二回も行けば良かったと思った。
以下、買ったものの雑感。
白倉由美『青い瞳の花束』とても繊細。一体、いかなる夢を見ればここまで儚い物語が紡げるようになるのだろうか。しかも聞くところによると、列に並んで待っている人たちに、大塚英志が自ら配って歩いたらしいし。僅か四ページの原稿をホッチキスで留めただけだけれど、とても良い。大切に保管しようと思った。
新月お茶の会『東京アジール 都市/郊外・地方』結局、転叫院さん*1の文章は『Majestic-12』でしか読めないのかと思ったら、こんなところにも。嬉。転叫院さんの文章を除いて、評論なのか小説なのか今ひとつ判然としない文章が多いように感じた。まるで独白するように評しているのだ。とりあえず『ファスト風土化する日本』は必読だなと感じた。読んでも理解できないだろうけど。
Narihara Akira*2『化粧』装丁が凝っている、これはきっと化粧という題と装丁で持って、中身である小説=本体を覆い隠そうという挑戦的な作品なのではないだろうか。短いけれど、雰囲気が出ていてとてもいいと思っている。ちなみに秋山は、女性が化粧をしていたらつい目を背けてしまうような人間。弱。
森田真功*3『Mighty Bomb Jack version1,2』佐藤友哉、舞城王太郎、綿矢りさ、西尾維新、絲山秋子などに関して。どちらかと言うと、バージョン2の方がより具体的で深く、読者を読ませる文章だったように感じた。特に西尾維新『きみとぼくの壊れた世界』に関する評論で、本当を嘘に変えるというのは論理的で完成されていると思った。