- 作者: 杉江松恋
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/11/05
- メディア: 文庫
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心なし、字が大きめで筆致も軽めなので、肩の力を抜いて気軽に読むことができた。読後の感想は特にない。難易度の低い小説であったように思う。つまり著者が敢えて難易度を下げることで、この本の主な読者(原作あるいは映画あるいは映画に出てくるらしい窪塚洋介のファン)に焦点を絞ってきたことが分かる小説だった。随所に著者の工夫が見受けられ、読んでいる間はむしろそういった点に目が行ってしまい、納得したり手を打ったりしてしまった。まあ、悪くない読書体験だった。
そうだ。謳い文句の「ラブ・ミステリー」だが、どこらへんが「ミステリー」かと言うと、ヒロインが本当に好いているのが誰であるか分からないあたりがミステリーなのだろう、きっと。……困った編集もいたものだ。