雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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オムニバスノベルゲーム『PNOS』のご紹介、その3、キャラ編

 2011年12月31日、冬コミ3日目、東プ51a「雲上回廊」にて、最新作『PNOS』を頒布致します。
 と、言うわけで紹介記事の3回目です。今回はキャラについて説明します。
PNOS

鋼一郎(こういちろう)

「鋼一郎最後の夜」の語り手。
 新宿の夜に生きるハンター、言の葉使い。
『PNOS』はシナリオ毎に語り手の異なるオムニバス型ではありますが、敢えて主人公をひとり選べと迫られたならば、彼の名前を挙げるでしょう。刀剣使いの宗家である村上の出身ではありますが、自らの先祖が、吹き寄せてくる「滅びの風」から日本を守るために、想像を絶する人数を生贄を捧げたことを知ってからは、自分が村上に列なるひとりであることに嫌気を覚え出奔。姓を持たない、ただの鋼一郎となります。
 村上姓を捨てた鋼一郎は、同時に恩恵も失い、以後は刃の通った刀剣を持てなくなります。生きるために、彼は綾織朱鷺子を師事し、言の葉使いとしての能力を獲得します。こうして、木刀に言の葉のちからを宿し、新宿の夜でモンスターを狩って生きるハンターが生まれたわけです。
「くだらない」が口癖で、根暗で、厭世的で、全体的に後ろ向きな感じの彼が、最終的に報われる話。それが『PNOS』です。

雨都デルタ(あまみや・でるた)

「鋼一郎最後の夜」の登場人物。
 新宿の夜に生きるハンター、新鬼使い。
『PNOS』の主人公を鋼一郎とするならば、ヒロインはデルタとせざるをえないでしょう。彼女もまた鋼一郎と同じく雨都を出奔し、たったひとりでハンターとして生活している女の子です。ちなみにデルタというのは彼女が勝手につけた名前で、本名は雨都四季子です。
「にひひ」という嫌らしい感じの嗤い方が特徴的で、鋼一郎に対しては強気な態度を取っていますが、ほんとうは人見知りで、知らないひとについていくことは絶対にない、犬っ子体質。と言うか、体質に留まらず、実際に犬耳のついたパーカーを目深に被って、他のひととは目線を合わせないようにしているくらいです。
 そんな彼女ですが、迷宮内においては一二を争う強さを誇ります。強さの秘訣は、身体の一部を鬼のそれに変化させることができるという能力。鬼の脚力でモンスターの背後に回りこみ、鬼の腕力でモンスターを瞬殺します。
 他の誰よりも頑張り屋さんであるのに、誰からも認められることのない、縁の下の力持ち。そんな彼女を心の底から笑顔にしてあげたい。そう思って『PNOS』を書きました。

才城悠輝(さいじょう・ゆうき)

「才城悠輝獅子奮迅」の語り手。
 日の本の防人を自称する、銃器使い。
「見聞を広げよ」と祖父の才城憂輝に送り出されて九州の山奥から単身、上京してきた女の子。最強の銃器使いとして知られた才城憂輝の教えを受け、非常に優秀な銃器使いにして暗器使いに育っています。さらに、幻想しうる限り最強の武器と謳われる金獅子と黒龍も受け継いでおり、人間レベルで考えると、トップクラスの能力者。ですが、金属を持ち込めない迷宮内においては、投擲くらいしか使えるスキルがなくて、なんだかたいへん残念な感じです。
 東京にやってきたばかりで、この時代の東京のことを、ほとんど知らない等身大の彼女は『PNOS』をプレイして頂ける皆さんと、いい感じに視点を共有できるのではないでしょうか。

御階堂美咲(みかいどう・みさき)

「御階堂美咲満身創痍」の語り手。
 最強。
 セーラー服で歌舞伎町を歩き、そのままの格好でモンスターと戦う女子校生。迷宮をゲーム、冒険者をプレイヤと呼称する彼女は、天上天下唯我独尊と言わんばかりに傲岸不遜。しかし、態度の巨大さと、彼女の実力は実際に比例します。その細腕から繰り出される一撃は、鬼化したデルタの腕力を凌駕し、並み居る猛者が束になって挑んでも敗れることのある迷宮のボスモンスターを、たったひとりで撃破します。
 あらゆる意味で規格外な彼女ですが、その絶対的な強さの陰には、ひとつの弱さが潜んでいます。その名は孤独。強すぎる存在であるが故に、誰も並び立つことができず、孤高の高みで、彼女はひとり、慟哭しています。

笹城壮(ささき・そう)

「笹城壮のニートライフ」の語り手。
 一般人。
 御階堂美咲が最強であるが故に孤独であるという話をしましたが、そんな彼女のさみしさを受け止めているのが笹城壮です。とにかく人間として器が大きく、色々な面倒事や厄介事を、嫌な顔ひとつせずに受け止めてくれます。まあ、いいやつですよ。定職に就いていないので収入がないことだけが残念なところですが、なにかと頼れるし、そばにいてくれると心も休まります。
 そんな彼と美咲がくっつくのは、ある意味、当然のことだったのかもしれませんね。彼がいてくれる限り、美咲は、ずっと元気でいられることでしょう。

高庭(たかにわ)

「バー、ギルドの人々」の語り手のひとり。
 一般人。
 紹介の2回目で光圀という企業が、武器屋や宿屋という機能を提供しているという話をしましたが、もちろん冒険者が集う酒場という機能も『PNOS』世界にはあります。それが、ギルドです。
 ギルドには地下一階のホールと地下三階のバーがあり(地下二階は従業員用のスペースです)、荒くれ者どもが集まるのが賑やかなホールで、知るひとぞ知る秘密のもてなし空間がバーになります。高庭はバーの方のギルドに勤めているバーテンダーで、鋼一郎やデルタ、美咲といった上客の接客を担当しています。

東雲雛子(しののめ・ひなこ)

「バー、ギルドの人々」の語り手のひとり。
 一般人。
 横浜ランドマークタワーの七十階にあるバー「ルシファー」から引き抜かれたバーテンダー。ことアルコールに関しては古今東西、多様な知識を持ち合わせていて、彼女が接客を担当するシーンでは、酒に関するうんちくが存分に語られます。『PNOS』における日常の担い手と言えるでしょう。

一文字野兎(いちもんじ・のと)

「バー、ギルドの人々」の語り手のひとり。
 一般人。
 癖っ毛が特徴の青年。ギルドの若手で、忙しさに合わせてバーとホールの両方に動かせる、マネージャ視点だと扱いやすい従業員。雛子と同じく、なんの能力も持ち合わせない日常の象徴とも言えるキャラです。『PNOS』には、人智を超えた能力者ばかりではなく、彼のような、なんの変哲もない一般人もいるわけですよ。

九条絢乃(くじょう・あやの)

「死神と死神の鎌」の語り手のひとり。
 死神、最強の人外使い。
『PNOS』では物語に奥行きと深みを与えるために、前後の時間軸もある程度、考えています。たとえば魔王による創世の世界、神々が現実に存在していた第二世界、吸血鬼などが生きていた第四世界、『PNOS』の舞台になっている第六世界、そして全世界の全登場人物が再会しうる約束の第九世界……。まあ、この手の設定は作中でも語られるので割愛するとして。先ほど『PNOS』の主人公として鋼一郎の名を挙げました。ですが、仮に『PNOS』で語られた出来事が、第六世界における数多の事件のひとつであったならば、『PNOS』を含む、第六世界の主人公は誰かと言うと、──その片方が、九条絢乃、彼女でしょう。
 人外使いの宗家、九条家が輩出した最強の人外使い。九条絢乃は、指揮棒ひとつで対象が人間以外の生物であれば、なんであれ支配下におくことができる、言わばモンスターテイマーです。地上において最も強いとされる人外「鬼」すらも使役できるところから、彼女の強さが推し量れます。
『PNOS』の舞台に死神と死神の鎌が現れるのは、ちょうど中盤です。彼女らの登場をもって、物語は転換点を迎えます。

雨都宗司(あまみや・そうじ)

「死神と死神の鎌」の語り手のひとり。
 死神の鎌、旧鬼使い。
 デルタと同じく雨都家の出自で、その身に「虚」という名の鬼を宿しています。雨都家に名を列ねる者は、全員、鬼の血を引いており、特に血の影響が濃く現れた者は、鬼の血が人格(鬼格?)を持ち、対話したり、鬼のちからを引き出すことが出来たりします。ちなみにデルタは特殊で、自身の裡に巣食う鬼と対話することは出来ませんが、そのちからを無理やり肉体に反映させることができます。つまり、かなり先祖還りしているわけです。作中ではデルタのちからを新鬼、宗司のちからを旧鬼と区別しています。
 雨都宗司は、さらに「姫」という鬼が宿った「雨降リ注グ都ニ佇ム鬼」という日本刀を受け継いでおり、抜刀することによって鬼姫とも対話が可能になります。まあ、ざっくり言うと、多重人格者が人語を解する刀を持っているみたいなもので『PNOS』に登場するキャラの中でも随一の中二具現者ですね。

雪島令(ゆきしま・れい

 体験版に収録されている「鋼一郎最後の夜」の最終シーンに登場する謎のボクっ娘

百色眼鏡(ももいろ・めがね)

 迷宮の語り部にして傍観者。

その他の人々

 わりとキャラが多いのが『PNOS』の特徴です。
 ここでは紹介を省きますが、他にも魅力的なキャラはいっぱい登場しますので、お気に入りのキャラを探して、無事に生き残れたり、やっぱり生き残れなかったりするのを一喜一憂していただけると幸いです。

次回

 その4は全体的な概要を予定しています。